- 著者
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高木 潤野
- 出版者
- 長野大学
- 雑誌
- 研究活動スタート支援
- 巻号頁・発行日
- 2010
音韻表象の不完全さが、ダウン症児の構音の誤りの一貫性の低さや発話の不明瞭さに関わっている可能性が指摘されていることから、目標とする語からの異なり方の大きい刺激と小さい刺激を用い、ダウン症児・者がどのような反応を示すかを検討した。その結果、正答率は「異なりなし条件」90.5%、「異なり小条件」19.0%、「異なり大条件」52.4%であった。このことから、ダウン症児・者は誤り方の大きいものと比較して誤り方の小さいものでは誤りを認識することが困難であることが明らかとなった。これは、ダウン症児・者の音韻表象が不完全であることによる可能性が考えられた。また音韻表象の不完全さはダウン症児の一貫性の低い構音の誤りや発話の不明瞭さの要因の1つである可能性が示唆された。