著者
金田 泰雄 村松 宜江 高橋 きよみ
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.280-288, 1993-03-22 (Released:2010-08-06)
参考文献数
2
被引用文献数
1 1

Many Japanese women are concerned about the darkness of their skin. However, the treatment for skin darkness have not, until now, been thoroughly tackled because of vagueness of skin darkness.Our study is aimed at clarifying skin darkness.Firstly, a questionnaire on the awareness of skin darkess was conducted on 975 Japanese women to determine the average consumers interpretation of “darkness”. Secondly, evaluations on “subjective” and “objective” darkness in female faces were simultaneously conducted on 167 women with the aim of grasping the relation between subjective and objective darkness in the same person. Finally, components of “objective darkness” were examined, and the following information was obtained.The awareness of skin darkness among Japanese women can be expressed by two factors: a “blackish” factor, and a “drooping” factor, associated with morphological elements.The evaluation of darkness requires the specification of facial sites because degrees of agreement between subjective “darkness consciousness” and objective “darkness impression” are different according to the sites.Components of darkness impression are color tone and morphology. A moderately deteriorated morphology in particular was assumed to have influence on the darkness impression similar to the color tone.
著者
大場 愛 佐藤 千尋 高橋 きよみ 二川 朝世
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.201-217, 2008-09-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
20

人間の体は器官・部位ごとに独立して機能しているわけではなく, 顔面皮膚以外の器官が顔面皮膚に影響を及ぼす例は, 多くの女性が経験し認知している。その影響は, 美容上無視できないほどのものである。昨今, 首から肩にかけた部位の苦痛・不快感 (いわゆる, こり感) を抱く人たちが増加していることに着目し, それが顔面美容に影響を及ぼすのか, 及ぼすとすれば, その状態を緩和することで顔面美容の改善を得ることができるのかを検討した。その結果, 首から肩にかけた部位に抱く苦痛・不快感は, その部位の筋緊張の昂進, 筋硬度の増加と関係しており, 額の表情筋である前頭筋の緊張, ひいては額のシワ程度にも関係していることがわかった。そして, 頸部や背面上部の筋肉の緊張を緩和することを目的としたボディマッサージ施術により, 前頭筋の緊張緩和や額のシワ程度の改善が認められた。顔面以外の要因が顔面美容に悪影響を及ぼしている例はほかにもあると考えられ, われわれの結果は, 今後, 顔面皮膚を美しく健やかにするための方策について, 個体全体で考える必要性があることを示唆するものである。
著者
高橋 きよみ 村松 宜江
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.17-24, 2002-03-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
8
被引用文献数
3 1

従来から顔面で皮脂の多い部分は, 額, 鼻, 顎とされTゾーンと呼ばれているが, これらと現実の化粧くずれは必ずしも一致していない。そこでわれわれはこの検証を行うため, 美容スタップを対象とした意識調査や顔面各部位の皮脂測定および皮脂分泌状態の観察を行った。その結果, 顔面を19部位に分割することで, 個人の皮脂ランクパターンが表現できることを確認した。次に化粧仕上がりおよび化粧くずれに対する乳液の影響を顔面各部位で評価したところ, その部位の皮脂ランクによりプァンデーションの付着量に差があり化粧くずれ印象も異なることを確認した。これらの結果よりわれわれは, 皮脂量の多い鼻, 眉間, 頬上内側および顎の部位を一括してIゾーンと呼ぶことがふさわしいと考えた。また, ベースメイクを行う際には, 各自の各部位の肌性に合ったモイスチャー品のタイプの選択および使用量の調整を考慮すべきであると考えた。