著者
高橋 晴子
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学学芸学部論集 (ISSN:18807887)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.173-189, 2007-03-20

本稿は、現在、作成しようとしている身装電子年表に関する論文の最終稿である。本年表は、近代の日本を対象とした画像を含む電子年表であり、最終的にはWeb上での公開を目的としている。この年表の特色のひとつは、記載事項の選択基準をはっきりと謳っていることである。その選択基準とは、1)同時代の身装イメージの忠実な再現に役立つような内容(おもに画像によって示される)、2)80年間の身装の変容のステップを具体的に示すような内容、ということである。 本稿の目的は、上記の選択基準を前提として、同時代資料より年表記載事項を選択していくために必要な<重要テーマ>について論議し、<重要テーマ>を確定することである。最終的に33の重要テーマを抽出したが、その抽出方法は、身装をなり立たせている主たる要因を物的要因と社会的要因にわけて列挙し、それぞれの内容を時系列に添って分析するという方法を用いた。抽出した33の重要テーマは「身装の社会的評価」、「衣服改良・改良服」、「衛生、健康観」、「身体観」、「着装」、「衣服の構造、制作技術」、「素材」、「子供服、通学(服)」、「(和洋)アンダーウェア」、「フォーマルウェア」、「女性の和装一般」、「男性の和装一般」、「学生、女学生」、「装飾一般」、「副装品一般」、「男女の髪型一般」、「束髪」、「化粧一般」、「美容業、美容師」、「道路、街」、「照明」などである。
著者
高橋 晴子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.35, no.8, pp.665-674, 1992
被引用文献数
1 2

服装専門データベース「民博コスチュームデータベース<略称MCD>」の概要を紹介する。とくに, データ加工のための服装専門分類表および身装概念コード表 (シソーラス) の作成過程と問題点について述べる。分類表は, 生産から消費への流れを表す面と, 衣服, あるいは関連品それ自体を表す面の 2面からなるファセット分類である。身装概念コード表は, 服装専門分類表に基づき, 優先語を選ばす同類語をコード化した体系表示である。文献&middot;画像資料のデータ加工については, この分類表とコード表の共有は可能であるが, 標本資料については, 分析の観点が異なることから, 標本独自のシソーラスに依っている。
著者
高橋 晴子
出版者
アート・ドキュメンテーション学会
雑誌
アート・ドキュメンテーション研究 (ISSN:09179739)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.1-18, 2008-03-31 (Released:2018-04-10)
参考文献数
11

本稿は、近代日本の<「身装-身体と装い」画像データベース>のための、重要なデータソースである新聞連載小説挿絵の身装情報としての資料価値について述べている。まず、小説挿絵の評価のための前提条件となる挿絵画家の位置付けと技術について言及した。1900年以後には、日本画家で占められていた挿絵の世界に西洋画家が参入し、さらには社員の身分であった挿絵画家がフリーの身分に変化してゆく。また、技術的には、写真製版などの新しい技法が加わった。これらのことが要因の一部となり、浮世絵様式の明治期前半の挿絵が、1900年以降になると、陰影感をもったリアルな姿態や、豊かな表情などが表現されるようになる。このような変容をとげた挿絵の信憑性を確認しながら、本画像データベースにとって、同時代の挿絵が適切な画像資料であることを検証した。なお、本画像データベースは、約1万件の画像で構成する予定でいるが、画像データの約40%は挿絵が占めることになる。
著者
高橋 晴子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.35, no.8, pp.665-674, 1992-11-01 (Released:2008-05-30)
参考文献数
12
被引用文献数
2 2

服装専門データベース「民博コスチュームデータベース<略称MCD>」の概要を紹介する。とくに, データ加工のための服装専門分類表および身装概念コード表 (シソーラス) の作成過程と問題点について述べる。分類表は, 生産から消費への流れを表す面と, 衣服, あるいは関連品それ自体を表す面の 2面からなるファセット分類である。身装概念コード表は, 服装専門分類表に基づき, 優先語を選ばす同類語をコード化した体系表示である。文献·画像資料のデータ加工については, この分類表とコード表の共有は可能であるが, 標本資料については, 分析の観点が異なることから, 標本独自のシソーラスに依っている。
著者
高橋 晴子
出版者
アート・ドキュメンテーション学会
雑誌
アート・ドキュメンテーション研究 (ISSN:09179739)
巻号頁・発行日
no.15, pp.1-18, 2008-03-31

本稿は、近代日本の<「身装-身体と装い」画像データベース>のための、重要なデータソースである新聞連載小説挿絵の身装情報としての資料価値について述べている。まず、小説挿絵の評価のための前提条件となる挿絵画家の位置付けと技術について言及した。1900年以後には、日本画家で占められていた挿絵の世界に西洋画家が参入し、さらには社員の身分であった挿絵画家がフリーの身分に変化してゆく。また、技術的には、写真製版などの新しい技法が加わった。これらのことが要因の一部となり、浮世絵様式の明治期前半の挿絵が、1900年以降になると、陰影感をもったリアルな姿態や、豊かな表情などが表現されるようになる。このような変容をとげた挿絵の信憑性を確認しながら、本画像データベースにとって、同時代の挿絵が適切な画像資料であることを検証した。なお、本画像データベースは、約1万件の画像で構成する予定でいるが、画像データの約40%は挿絵が占めることになる。