著者
根本 信 横田 崇 高瀬 嗣郎 今村 文彦
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.2_25-2_41, 2019 (Released:2019-05-31)
参考文献数
31
被引用文献数
1

2011年東北地方太平洋沖地震の津波断層モデルとしては,これまでに多くのモデルが提案されている.しかし,これらのモデルでは一部の観測データは説明できるものの,GNSSの連続観測データや沿岸の津波痕跡高分布を含めて総合的に評価されていない.本研究では,沖合津波波形データ,陸域・海域測地データ,GNSS連続観測データおよび津波痕跡高データを用いて,これらのデータを説明する津波断層モデルを線形と非線形のインバージョン解析により構築した.その際,断層すべりを与えるプレート境界面として,横田ら(2017)で提案された現実的なプレートモデルを用いた.解析の結果,地震発生から約1分後に宮城県沖で主要な断層すべりが生じるとともに岩手県沖の海溝軸に沿って地震発生から4分後までゆっくりとしたすべりが継続する断層モデルが推定された.
著者
根本 信 高瀬 嗣郎 長谷部 大輔 横田 崇
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.346-350, 2009 (Released:2010-03-05)
参考文献数
15

With the progress of recent seismological research, we have understood that slip distribution of earthquake fault rupture is generally heterogeneous and has fault asperity. However this heterogeneity of fault slip has not been considered enough in scenario earthquakes of tsunami prediction. In this study (1) we performed inversion analyses of past three large earthquakes in Japan sea (1964 Niigata, 1983 Nihonkai-Chubu and 1993 Hokkaido Nansei-Oki) using tsunami height data in order to investigate the characteristics of slip heterogeneity, (2) based on the inversion results, we proposed a modeling procedure of fault asperity on tsunami source model of scenario earthquakes.