著者
高野 陸 脇田 建
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2018-HCI-180, no.8, pp.1-8, 2018-11-27

複雑ネットワークの構造を理解するための手段として,グラフクラスタリングが挙げられる.グラフクラスタリングはネットワークの構造を要約する手法として有用であるが,必ずしも意味的に正しいクラスタ構造を構成できないという問題があり,しばしば人間の判断を必要とする.このような人間と機械の健全な協力関係の必要性を満たす手法として,しばしば対話的な可視化が用いられる.しかしグラフクラスタリングの対話的な可視化に関する既存研究では,人間と機械が協力して意味的に正しいクラスタ構造を探索するシステムは存在しない.本研究では対話的なネットワーク可視化分析ツールである Social Viewpoint Finder を拡張し,人間と機械が協力的にクラスタ構造を探索的に分析するシステムを提案した.システムの中では機械的なグラフクラスタリングへ人間が介入するために,クラスタ構造をパラメトリックに表現したクラスタ雲を新しく提案し,それを用いた対話的なクラスタ分析の UI を提供した.他にも,人間のクラスタ構造への理解を深めるための包括的なクラスタ分析を支援する機能も提案した.また,本研究で提案した対話機能が探索的なクラスタ分析において有用であるかを,二つの実データセットを用いた分析例によって議論した.
著者
高野 陸男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.53, pp.3-10, 1993-06-18

マルチメディア通信の実現に向けて将来ビジョンと技術課題を述べる。まず、メディア符号化とネットワーク性能との関係を示し、高圧縮符号化技術とメディア構造化技術が、経済化の観点から重要であることを述べる。構造化の例として、ISDNカラオケ、キャッチビジョンについて説明する。次に、シームレス化技術が人間の生産活動支援の観点から重要であることを述べる。例として、クリアボード、多視線一致撮像表示システム、音像定位通信システムについて説明する。最後に、マルチメディア通信により変革がもたらされることが期待される実作業として、協調作業、遠隔モニタリング、情報提供サービスについて考察する。This paper discusses future vision and technology toward multimedia communication. First, the relation between media coding and network is shown. High efficiency coding techniques and structure techniques are important for economical multimedia communication systems. As the examples of systems using structured media, the Karaoke system through ISDN and the event driven visual communication system are shown. Next, seamless multimedia communication systems such as the ClearBoard, the multiple-eye-contact teleconference system and the stereophonic sound image localization system are shown. Finally, cooperative work, monitoring and information providing are discussed as the fields innovated by the multimedia communication systems.