著者
勝山 このみ 髙島 千敬 奥 結季恵 阿部 和夫
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.135-140, 2023-04-15 (Released:2023-04-15)
参考文献数
29

本研究の目的は,パーキンソン病患者の認知機能・前頭葉機能が転倒に及ぼす影響を明らかにすることである.対象は当院で入院加療したPD患者81例,Hoehn&Yahr重症度分類Stage2~4の患者であった.転倒回数により3群に分類し,MMSEおよびFABの総点数との関係について多重ロジスティック回帰分析を用いて解析した.また,Yahr分類とMMSEおよびFAB総点との関係は,Spearmanの順位相関係数を用いて分析した.非転倒群と複数回転倒群のMMSEおよびFABの総点数との間に有意な相関を認め,FABの総点数は,転倒予測因子として抽出され,前頭葉機能低下が転倒と相関していることが示唆された.
著者
藤本 侑大 島崎 寛将 納冨 敦子 谷口 小百合 髙島 千敬
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.585-592, 2019-10-15 (Released:2019-10-15)
参考文献数
30

わが国では,2008年度に作業療法士による呼吸器リハビリテーション料の算定が認められた.それから10年間における呼吸器疾患患者に対する作業療法の現状について,システマティック・レビューを行った.MEDLINEや医学中央雑誌など8つのデータベースとハンドサーチから,呼吸器疾患患者に対し実施されている作業療法についての論文を抽出した.その結果,日本語5論文を採用した.論文の対象はCOPDや間質性肺炎が中心で,主な実践内容・研究目的は,高次脳機能障害の検討(2件),ADL・IADLトレーニングの検討(2件),社会生活状況調査(1件)であった.今後は,わが国における呼吸器疾患患者への作業療法報告数の増加や有用性の検証が課題である.