- 著者
-
髙橋 亮太
岡田 唯男
上松 東宏
- 出版者
- 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
- 雑誌
- 日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
- 巻号頁・発行日
- vol.42, no.4, pp.213-219, 2019-12-20 (Released:2019-12-27)
- 参考文献数
- 37
- 被引用文献数
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3
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1980年代頃から「複数の慢性疾患をもつこと」は「multimorbidity(多疾患罹患)」と呼ばれ,近年のプライマリケア研究において重大なテーマとなっている.高齢化と共にmultimorbidity患者は増加し,性別,社会経済的地位の低さ,精神疾患合併との相関が示されている.また,死亡率上昇,QOL (quality of life)低下等の健康アウトカムへの負の影響が示唆され,受診回数増加,ポリファーマシー等の患者負担増加や,救急受診,予定外入院,医療費上昇等の医療資源利用への影響がわかってきている.一方で介入方法はエビデンスによる十分な裏付けがない.本総説は国内外の質の高い研究論文を中心にmultimorbidity研究の現状を俯瞰し,研究上の課題を指摘すると共に,それらを踏まえ,臨床現場におけるmultimorbidity患者へのアプローチ方法の提案を行う.