著者
巻 直樹 髙橋 大知 高田 祐 柳 久子
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.23-30, 2015 (Released:2015-03-27)
参考文献数
27
被引用文献数
2 3

目的 : 要介護高齢者における, 呼吸機能とADL・QOLの関連を検討することを目的とした.方法 : 要支援1・2及び要介護1・2・3の介護認定を受け, 通所リハビリテーションを利用している65歳以上の要介護高齢者87名を調査. 呼吸機能検査および, 心身機能検査, 嚥下機能検査と, 質問紙によるADL・IADL・QOL評価を実施し, Spearmanの順位相関検定を行い, 有意な相関が得られた項目を説明変数とする重回帰分析を行った.結果 : 呼吸機能は身体機能, 嚥下機能, ADL・IADL・QOLと有意な正の相関を認めた. 重回帰分析の結果, 一秒量, 嚥下機能はQOL (SF8身体&精神) , IADL, ADLに関連する要因だった. 要介護高齢者において, 呼吸機能とADL・IADL・QOLが関連していることが示唆された.考察 : 呼吸リハビリテーションにより身体機能を向上し, 呼吸機能, 嚥下機能を改善することにより, 要介護高齢者のADL, IADL・QOLを向上出来る可能性が示唆された.
著者
巻 直樹 髙橋 大知 仲田 敏明 長谷川 大吾 若山 修一 坂本 晴美 藤田 好彦 高田 祐 佐藤 幸夫 柳 久子
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.138-144, 2017 (Released:2017-04-20)
参考文献数
42
被引用文献数
3

【目的】嚥下機能低下を呈した要介護認定高齢者を対象として,呼吸トレーニングにおける短期および長期的な効果を検証する。【方法】通所リハビリテーションを利用している65 歳以上の要介護認定高齢者を対象とした。同意が得られた31 名に呼吸トレーニングを2 ヵ月(8 週)行い,理学療法前後,follow-up 1 ヵ月後,6 ヵ月後に測定を行った。【結果】理学療法前と理学療法1ヵ月(4 週)評価との間では,呼吸機能,嚥下機能,QOL は有意に改善を示した。理学療法2 ヵ月(終了時)とfollow-up 6 ヵ月後との間で呼吸機能,QOL は有意に減少を示していた。【考察】要介護認定高齢者に対し,呼吸トレーニングを導入することにより,呼吸機能や嚥下障害,QOL を改善することが可能であった。