著者
髙橋 治男
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.33-39, 2018-01-31 (Released:2018-02-27)
参考文献数
42

1. マイコトキシン汚染玄米粒では侵入菌糸とマイコトキシンの分布は,ほぼ一致し,主として,胚芽部付近に集中した.汚染カビは胚芽部付近に生じる空隙で増殖した.マイコトキシンは精白過程で糠区分に除去されたが,汚染が進むと完全に除去されず,白米区分に残存した.2. 南西諸島のサトウキビ畑にはAspergillus parasiticus,A. nomius,A. flavusの多様なアフラトキシン産生菌が生息した.分離株の分子生物学的な解析はA. parasiticusとA. nomiusがタイプ種とは系統的に異なり,サトウキビと特異的な関係にあることを示した.
著者
橋本 ルイコ 浅野 勝佳 渡嘉敷 唯章 陰地 義樹 廣瀬(安元) 美奈 高良 亮 豊里 哲也 吉野 敦 池端 真美 劉 瑩 久米田 裕子 横山 耕治 髙橋 治男
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.179-186, 2013-07-31 (Released:2013-12-10)
参考文献数
19
被引用文献数
4 6

最も普遍的に存在するカビのひとつ,A. niger にマイコトキシンの産生性が発見され,食品工業上重要な役割を担う A. niger や沖縄で泡盛の醸造に伝統的に用いられてきた黒麹菌の安全性が問題視されている. また,A. niger とその近縁種である黒麹菌は形態的に類別することは困難であることから,ミトコンドリアチトクローム b DNA 遺伝子などを用いて分子遺伝学的に解析し,これらの菌を正確に分類するとともに,マイコトキシン産生性との関係を明らかにすることによって黒麹菌など実用株の安全性についての検証を行った.