著者
久場 恵美 津波 和代 廣瀬(安元) 美奈 津覇 恵子 安元 健
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.379-382, 2008-08-15 (Released:2008-09-30)
参考文献数
10
被引用文献数
2 3

ツバキ葉抽出物500および2000mg/kgをラットに単回または28日間反復経口投与し,安全性を検討した.単回投与試験において,いずれの群にも死亡例はなく,一般状態,体重および解剖検査で異常がないことが確認された.また,28日間反復経口投与試験においても,ツバキ葉抽出物投与群に死亡例はなく,一般状態,体重,摂餌量,尿検査,血液学的検査,血液生化学的検査,器官重量,解剖検査および病理組織学的検査で異常は認められなかった.以上のことから,本実験条件ではツバキ葉抽出物500mg/kgと2000mg/kgのいずれにおいても経口摂取による毒性は検出されなかった.さらに,ツバキ葉抽出物の遺伝子突然変異誘発性の有無を,Salmonella typhimurium TA100,TA98,TA1535およびTA1537ならびにEscherichia coli WP2uvrAを用いたプレインキュベーション法による変異原性試験により検討した.ツバキ葉抽出物処理群における復帰変異コロニー数は,いずれの菌株ともS9mix添加の有無にかかわらず,陰性対照の2倍未満であり,本実験条件ではツバキ葉抽出物から突然変異原性は検出されなかった.
著者
橋本 ルイコ 浅野 勝佳 渡嘉敷 唯章 陰地 義樹 廣瀬(安元) 美奈 高良 亮 豊里 哲也 吉野 敦 池端 真美 劉 瑩 久米田 裕子 横山 耕治 髙橋 治男
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.179-186, 2013-07-31 (Released:2013-12-10)
参考文献数
19
被引用文献数
4 6

最も普遍的に存在するカビのひとつ,A. niger にマイコトキシンの産生性が発見され,食品工業上重要な役割を担う A. niger や沖縄で泡盛の醸造に伝統的に用いられてきた黒麹菌の安全性が問題視されている. また,A. niger とその近縁種である黒麹菌は形態的に類別することは困難であることから,ミトコンドリアチトクローム b DNA 遺伝子などを用いて分子遺伝学的に解析し,これらの菌を正確に分類するとともに,マイコトキシン産生性との関係を明らかにすることによって黒麹菌など実用株の安全性についての検証を行った.