著者
天羽 薫 足利 学 山根 知子 垣之内 鈴子 魚橋 武司 堺 俊明
出版者
藍野大学
雑誌
藍野学院紀要 (ISSN:09186263)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.43-48, 2004
被引用文献数
1

摂食障害とアスペルガー障害の合併した症例の報告は,僅かしか見られない。今回我々は,重度の摂食障害とアスペルガー障害の合併(comorbidity)した症例を経験した。患者はドイツ留学を契機に摂食障害を発症し,10年余り処々の医療機関や心理カウンセリングを受けていたにもかかわらず,来院時体重は,わずか22.8kgの低体重で,生命の危機的状況にあった。入院時使用していた下剤や,腹部を締め付けていたベルトの使用を禁止し,外泊・退院のための目標体重を設定し,それを努力目標とした。その結果,入院52日目に退院できた。なお,アスペルガー障害については,DSM-IV-TRの診断基準を満たしていた。単純な指示的な入院行動療法が,効を奏したものと考えられた。
著者
三木 康明 楠田 寛 上西 裕之 魚橋 武司 堺 俊明 Yasuaki Miki Hiroshi Kusuda Hiroyuki Uenishi Takeshi Uohashi Toshiaki Sakai 魚橋病院 魚橋病院 魚橋病院 魚橋病院 魚橋病院 Uohashi Hospital Uohashi Hospital Uohashi Hospital Uohashi Hospital Uohashi Hospital
雑誌
藍野学院紀要 = Bulletin of Aino Gakuin (ISSN:09186263)
巻号頁・発行日
vol.21, 2008-03-31

本研究では,男女が合同して作業療法を行なうことにより,患者がどのような影響をうけるかを検討した。開始直前と開始後3ヶ月後に,PANSSとRRSを用いて,評価したところ,「社会参加の広がり」,「外見への配慮」に関する項目では,女性に顕著な結果が現れた。このような変化は男女合同プログラム実施によって,社会性の獲得に影響を与えることが示唆された。この様な変化の理由としては,男女合同プログラム開始以前の女性患者は病棟外での活動が少なかったため,男性より外部刺激に曝されることが少なかったことが大きな理由であると考えられた。また,プログラム実施において女性の参加率の偏りが見られた。これについては(1)男性への拒否感,(2)参加の場所(男性病棟)が原因と考えられた。これらを改善することと,ストレスへの耐性を高める関わりが必要と考えられた。