著者
間邊 哲也 鮒谷 知也
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J105-A, no.8, pp.96-105, 2022-08-01

本論文では,スマートウォッチを含む歩行者ナビゲーションシステムにおいて,案内性能と安全性の両観点で比較評価実験を行う.まず,スマートウォッチで提示する案内情報の異なる3種類の評価用システムを構築する.次に,スマートウォッチの有無による歩行者ナビゲーションシステムの評価実験を行い,歩行者ナビゲーションシステムを利用するユーザの多くが必要とする通知,推奨方向,補足情報のみをスマートウォッチで提示することで,案内性能と安全性が両立できる可能性を示す.最後に,画面表示を含むスマートウォッチによる歩行者ナビゲーションシステムの評価実験を行い,スマートウォッチに多くの案内情報を提示すると,安全性だけでなく,案内性能も低下することを示す.以上のことから,スマートウォッチを含む歩行者ナビゲーションシステムにおいて案内性能と安全性を両立するためには,ユーザにとって真に必要な情報(分岐点での通知,推奨方向,補足情報)のみに限定して提示することが重要な要件の一つであることを明らかにする.