著者
鵜沼 亘 間邊 哲也 相原 弘一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J106-A, no.2, pp.40-56, 2023-02-01

本論文では,Wi-Fi RTT (Round Trip Time)を用いた測距ベースの位置特定手法であるLaterationにおいて,測距性能がどのようにして位置特定性能に影響を与えるかを調査し,調査により得られた結果を踏まえて策定したアクセスポイント選択方法に基づき,屋内廊下を対象とした位置特定性能評価を行っている.その結果,適切なアクセスポイントの選択により,今回の評価環境では,高品質な位置情報サービスに利用可能な性能が得られることを示している.また,アクセスポイントの数が減っても,位置特定性能を維持し,なおかつ,Wi-Fi RSSI (Received Signal Strength Indicator)を用いたScene Analysisと同程度若しくはそれ以上の性能が得られることを示している.更に,その他の条件においてもアクセスポイントの選択によって位置特定性能を改善できるという結果を得ている.このことから,アクセスポイント数が減ることによるコストの削減,データベースの構築・更新に要する労力の削減が期待できる.
著者
間邊 哲也 鮒谷 知也
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J105-A, no.8, pp.96-105, 2022-08-01

本論文では,スマートウォッチを含む歩行者ナビゲーションシステムにおいて,案内性能と安全性の両観点で比較評価実験を行う.まず,スマートウォッチで提示する案内情報の異なる3種類の評価用システムを構築する.次に,スマートウォッチの有無による歩行者ナビゲーションシステムの評価実験を行い,歩行者ナビゲーションシステムを利用するユーザの多くが必要とする通知,推奨方向,補足情報のみをスマートウォッチで提示することで,案内性能と安全性が両立できる可能性を示す.最後に,画面表示を含むスマートウォッチによる歩行者ナビゲーションシステムの評価実験を行い,スマートウォッチに多くの案内情報を提示すると,安全性だけでなく,案内性能も低下することを示す.以上のことから,スマートウォッチを含む歩行者ナビゲーションシステムにおいて案内性能と安全性を両立するためには,ユーザにとって真に必要な情報(分岐点での通知,推奨方向,補足情報)のみに限定して提示することが重要な要件の一つであることを明らかにする.
著者
縄野 太一 間邊 哲也
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.2019-66, pp.69-74, 2020

本稿では, 交通ルール違反による自転車事故増加の問題を解決するために, 交通法規を遵守した自転車用ナビゲーションシステムを提案している. まず, 左側通行を遵守した経路探索のために, 自動車用のノードマップの拡張と経路探索アルゴリズムの確立を行っている. 次に, 三種の経路探索手法(既存探索モード, 左側通行探索モード, 左側通行+徒歩探索モード)を構築し, 左側通行を遵守した場合の旅行時間についての評価実験を行っている. その結果, 左側通行を遵守しても時間の増加は少ないことを示している. また, システムの受容可能性についてもアンケート調査を行い, 提案システムの受容の可能性を確認している.This paper proposes a bicycle navigation system following traffic rules in order to solve the problem of increasing bicycle accidents depend on violation of traffic rules. First, we extend node maps constructed for cars and establish route search algorithm following the left-hand traffic. Next, we construct three types of route search methods (existing search mode, left-hand traffic search mode, left-hand traffic and walking search mode) and perform an evaluation experiment about the travel time following the left-hand traffic. The result shows the increase of the time following the left-hand traffic is small. Also, we do a questionnaire survey and check that the proposed system is acceptable.
著者
間邊 哲也 長谷川 孝明 松岡 義大 古川 誠治 福田 朗
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J95-A, no.3, pp.268-282, 2012-03-01

本論文では,ポジショニングサブシステムのマイグレーションを考慮したプラットホーム指向の歩行者WYSIWYASナビゲーションシステムを提案している.提案システムでは,建物内や建物付近の屋外でシームレスに動作し,かつ,WYSIWYASナビゲーションの実現に必要な位置情報と方向情報を他の位置特定手法と協調することなく取得可能なポジショニングサブシステムとして,タイルカーペットを用いたM-CubITSと可視光通信を採用している.大型商業複合施設内で目的地の名称のみが分かっている状況での移動を想定した評価実験では,提案システムにおけるポジショニングサブシステムの位置特定成功率,処理時間,移動所要時間,ユーザビリティについて評価を行っている.その結果,提案システムを用いることで,固定の案内板や手持ちの地図などを用いるよりも短時間で確実に目的地に到達できることから,提案システムの歩行者ナビゲーションシステムとしての有効性を確認している.
著者
間邊 哲也 長谷川 孝明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.82, pp.47-51, 2006-05-22
被引用文献数
11

本稿では,M-CubITS歩行者WYSIWYASナビゲーション環境の実現に向けて,建物内におけるM-CubITSを用いたWYSIWYASな歩行者ナビゲーションシステムの提案と埼玉大学工学部内の建物における実験システムの構築ならびに動作確認を行っている.既存のM-CubITS歩行者WYSIWYASナビゲーションシステムを建物内に適用するために,本稿では,データベースの構築と建物内におけるナビゲーション方法の検討を行い,現在地特定用と経路探索用の2つからなるデータベースを構築し,現在地から目的地までの経路探索には最短経路問題の解法アルゴリズムとして一般的なDijkstra法を用いている.さらに,実験を通してシステムの動作確認を行っている.
著者
間邊 哲也 長谷川 孝明 福田 朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.51, pp.1-6, 2007-05-17
被引用文献数
13

本稿では,タイルカーペットを用いることで屋内環境に適したM-CubITS歩行者WYSIWYASナビゲーションシステムの実現に向けた見通しを得ている.従来のM-CubITS歩行者WYSIWYASナビゲーションシステムで使われている視覚障害者誘導用ブロックの代わりに建物内に広く普及したタイルカーペットをM-CubITS素子として用いたM-CubITS歩行者WYSIWYASナビゲーションシステムを提案し,タイルカーペットをM-CubITS素子として機能させるための色と配置方法の検討および汎用モバイル機器への実装を行なっている.さらに,本システムを実装した汎用モバイル機器の勲作確認を行ない,一部の照明条件を除いて本システムが正常に動作することを確認している.