著者
須貝 俊彦 鳴橋 竜太郎 大上 隆史 松島 紘子 三枝 芳江 本多 啓太 佐々木 俊法 丹羽 雄一 石原 武志 岩崎 英二郎 木本 健太郎 守屋 則孝
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

関東平野の綾瀬川断層、濃尾平野の養老断層を主な対象として、地形、表層地質調査を行い、とくに河川による土砂移動プロセスと活断層の活動との関係に着目して、伏在変動地形の識別と伏在活断層の活動性評価を目的として研究を進めた。その結果、綾瀬川断層では、最終氷期の海面低下期に形成された埋没段丘面群と沖積層基底礫層の堆積面(埋没谷底面)において、明瞭な断層上下変位が見出され、その平均上下変位速度は約0.5 mm/年と見積もられた。養老断層では地震動による土石流発生と沖積錐の成長が繰り返され、断層崖を埋積してきたことなどが明らかになった。同時に平野の地震性沈降が、コアのEC、粒度、全有機炭素/窒素、帯磁率等の分析によって検出可能であることが示され、そのタイミングが^<14C>年代測定値によって与えられた。