著者
鳴海 真里子 梅澤 猛 今井 倫太
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.91, no.1, pp.37-50, 2008-01-01

本研究では,環境中に存在する物体に付加したセンサデバイスからの情報に基づき,人間・ロボット間のインタラクションの演出を選択する演出選択システムi-Director+を提案する.人間同士のインタラクションでは「今日は暖かいですね」といった実世界の情報に基づく対話により話者間の親密度が増し,会話がはずむ.しかし,多くの人間はロボットが感覚や感情をもつと想定していないので,実世界情報に基づくインタラクションを人間・ロボット間で実現することは困難である.i-Director+は人間とロボットのインタラクションを積極的に演出するために,演出と呼ばれる行動ルールをもつ.演出はセンサ情報に基づき選択される.また,i-Director+はShynessという概念を用いて演出を分類しており,演出に対する人間の応対のしやすさも考慮して演出選択を行う.更にロボットの存在する環境が人間の介入やロボットの移動により動的に変化するので,センサ情報の変化に迅速に応じて演出を選択し,人間の注目度の高い事象に対する演出を行う.本論文では,i-Director+をコミュニケーションロボットRobovie上に実装した.センサにはCrossbow社のMOTEを用いた.実際にi-Director+を動作させた結果,環境の動的な変化に基づいた演出の変更や適切な難易度の演出を選択できることが確認できた.
著者
鳴海 真里子 今井 倫太
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第17回全国大会(2003)
巻号頁・発行日
pp.34, 2003 (Released:2004-02-03)

本研究では、ロボット上の音声対話システムにセンサの情報とアクチュエータの動作を反映させる機構を実装し、ロボットが演出を行うことにより人間ロボット間で共感を実現させることを目的とする。実験により、その有効性を検証する。