著者
鴨志田 良和
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2012-HPC-135, no.20, pp.1-6, 2012-07-25

本稿はクロスコンパイルされた実行ファイルとそうでない実行ファイルを判定する機構と,execve システムコールをフックし,クロスコンパイルされた実行ファイルを実行しようとすると,自動的にリモートホストへ実行を転送する機構を有する TLDT というツールを提案する.TLDT を利用することにより,ローカルホストから通常の実行ファイルとリモートホスト向けの実行ファイルが透過的に実行可能になるため,ATLAS を始めとするインストール時自動チューニングを行うソフトウェアなど,クロスコンパイル環境でのビルドが困難なソフトウェアを容易にビルドできるようになる.
著者
鴨志田 良和 金田 憲二 遠藤 敏夫 田浦 健次朗 近山 隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.199, pp.19-24, 2006-07-26
被引用文献数
2

我々は,多数の計算機の効率的な監視と,対話的なコマンド投入を行うシステムVGXP(Visual Grid eXPlorer)を開発している.VGXPは面倒な個々の計算機へのインストールが不要で高速な並列コマンド投入が可能なGXPを拡張したシステムで,計算機のリソース利用率の監視と可視化機能を追加したものである.VGXPを使うと各計算機でのリソース利用率が図示されるので,クラスタの混み具合や負荷分散のバランスを一目で把握することができ,並列プログラムの開発やテストに役立てることができる.また,監視のために各計算機で必要なCPU負荷は約2%程度で,6拠点にまたがる約600台の計算機を監視した場合でも表示ノードにかかるCPU負荷は20%程度と,低負荷で監視を行うことができる.本稿では,これらの機能の実現方法や,監視のための情報収集の性能について説明する.