著者
鹿内 信善
出版者
北海道教育大学
雑誌
年報いわみざわ : 初等教育・教師教育研究 (ISSN:02859300)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.73-88, 1991-03-25

アイヌ文学は、すべて口承文学であり、物語の展開がわかりやすいものが多い。それを教材とした場合,よほど意外性のある方向づけをしない限り、面白い授業になりにくい。そこで、本研究では、アイヌ文学を教材としながらも、トナカイから始まりサンタクロースで終わる授業を行ってみた。その授業記録を参照しながら、アイヌ文学の教材化可能性について検討する。今回は、アイヌ文学が備えている環境教育教材としての側面をとくに強調してみた。
著者
鹿内 信善
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.207-216, 1976-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
18

本研究は, 次の仮説の検証を目的とする。創造性の高いものは, 複雑性・新奇性を有する刺激によって認知的コンフリクトが喚起されている事態での知識獲得において有利であろう。また, Getzels-Jackson現象は, このような事態での知識獲得において生起するであろう。これらの仮説を検証するために, コンフリクト (C) 条件・非コンフリクト (NC) 条件の2つの条件が操作された。各条件での手続概要は以下である。C条件: (1) 事前テスト (直前実施)(2) 被検者は, ある新奇な現象を生起させることが可能か否かの予想をする。ついで, この新奇な現象が呈示される。これらの手続により, 複雑性・新奇性による認知的コンフリクトの喚起が期待される。 (3) 被検者は, この現象の生起理由をのべた, 認知的コンフリクト低減情報を呈示される。(4) 事後テスト (直後実施)(5) 把持テスト (1週間後実施)。NC条件: この条件はC条件と主に次の2点で異なる。第1に予想手続がない。第2に現象の生起理由をのべた情報のあとで当該現象が呈示される。これらの手続は, 複雑性と新奇性を減ずるためにとられる。仮説を支持する結果は, 題材として用いた現象を生起させる操作とその理由説明をもとめる記述式のテストにおいて主として得られた。これらの結果は, 創造性の高いものは照合的 (複雑・新奇) 刺激に対して接近傾向を有しているためであると考えられる。