著者
青木 一真 黒柳 奨 クグレ マウリシオ ヌグロホ アント サトリヨ 岩田 彰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. D-II (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.12, pp.2291-2300, 2005-12-01
参考文献数
12
被引用文献数
4

本論文ではSVMにおけるマージンをベースとした特徴選択手法を提案する.しかし一般的なマージン(Normal Marginと呼ぶことにする)の場合,マージンの大きさとSVMの学習により得られる識別関数の良さが適切に対応しない場合があることが明らかとなった.すなわち,Normal Marginを評価値とした特徴選択を行って得られた特徴セットが,必ずしも最良の識別関数を与えるとは限らない.そこでこの問題を解決するために Confident Margin(CM)という新しい評価基準を導入し,それを用いた特徴選択アルゴリズム SBS-CM を提案する. SBS-CM による人工データや実データを用いた実験を行った結果,従来手法よりも良い結果を得ることができた.また評価値CMの値の変化から最適な特徴セットをおおよそ求めることが可能であった.
著者
山田 美穂 岩佐 要 Kugler Mauricio 黒柳 奨 岩田 彰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.372, pp.37-42, 2008-12-13
参考文献数
4
被引用文献数
1

我々は人間の聴覚機構を模倣したパルスニューラルネットワークによる聴覚情報処理システムを提案している.このシステムを用いることで,周波数的特徴によって音源種類の識別が可能である.しかし,識別に競合学習である自己組織化マップを用いているため,入力に最も周波数的特徴の近い一つの音しか識別されず,複数の音が同時に入力される場合においても,それぞれの音源の識別は困難であった.そこで本研究では複数音からの目的音抽出方法を提案する.また,一般的に複数の音が存在する屋外環境の音に対して提案手法を適用し,従来手法との比較実験を計算機上で行い,提案手法の有効性について確認した.
著者
加賀 洋介 クグレ マウリシオ 黒柳 奨 岩田 彰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.461, pp.415-420, 2011-02-28
参考文献数
3

我々は周辺の環境を把握するため,聴覚などの知覚情報を用いているが,人間の聴覚情報処理を工学的に応用出来れば様々な利用法があると考えられる.本研究室ではニューラルネットワークを用いた聴覚情報処理システムの研究をこれまで行っており,その中でバイナリベクトルを特徴量として学習を行う音源識別システムが提案されている.本システムは簡易的かつ,ハードウェアの軽量化という利点をもつが,複数音源に対応させる手法は現段階で確立されていない.そのため本論文では,音源の生成と分類が比較的容易である楽器の音源を題材として取り上げ,システムのアルゴリズムの改良を検討し,複数音源から各音階を識別したのちに音源種類を識別する手法を提案する.提案した手法を用いてシミュレーション実験を行った結果,識別されたそれぞれの音階情報を削減することで,複数音源識別が可能であることが確認された.
著者
田中 愛久 黒柳 奨 岩田 彰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.688, pp.175-182, 2001-03-16
被引用文献数
10

大規模ニューラルネットワークを家電製品のレベルでシステムとして組み込むことを考えた場合、組み込みプロセッサ上でのソフトウェアとしてでは実時間応答が困難であることが予想される。そこで、ニューラルネットワークをハードウェア化することで、低コストでの高速化を実現する。またFPGAを用いることで動的なネットワーク構造の変化を目指した。低コストでの実現を目指し、ネットワーク全体の回路規模を抑えるために1ニューロンあたりの回路規模を抑えるハードウェア化手法で回路設計を行い、非常に小型のニューロンを設計できた。また、独立したシステムとしての運用のため、ニューラルネットワーク最大の特徴である学習のハードウェア化も行った。
著者
黒柳 奨 岩田 彰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.267-276, 1996-02-25
被引用文献数
32

人間は, 両耳間の信号の時間差(ITD:Inter-aural Time Difference)と音圧差(ILD:Inter-aural Level Difference)を用いて, 音源の方向を知ることができる. 我々は神経細胞の機能を模倣したパルスニューロンモデルを用い, 2信号間からITDとILDを独立に抽出する聴覚神経系モデルを提案している. 今回, この聴覚神経系モデルの上層に新たなパルスニューラルネットワークを追加し, 入力信号間の特定のITD,ILDにそれぞれ特異的に反応するマッピングニューロン群を構築した. この新たな聴覚神経系モデルに対して, 計算機上でシミュレーションを行った結果, 入力信号間のITD,ILDの変化によってマッピングモデル内での発火ニューロンの位置が変化することが確認され, 本モデルが単純なパルスニューロンモデルの組合せのみでITD,ILDをマッピング可能であることが示された.