著者
黒澤 満
出版者
大阪女学院大学
雑誌
大阪女学院大学紀要 = Journal of Osaka Jogakuin 4year College (ISSN:18800084)
巻号頁・発行日
no.14, pp.15-32, 2017

論文核兵器禁止条約が国連会議において2007 年7 月に採択され、核軍縮の分野における新たな進展が見られた。これは伝統的な核軍縮交渉によるものではなく、非核兵器国を中心に核兵器の禁止を定めるもので、長期的に核兵器に悪の烙印を押すことにより核廃絶を進めようとするものである。本稿では、条約の背景および交渉過程をまず検討し、中心的には条約の内容を詳細に分析し、条約に対する反対意見を紹介し、条約の意義を明らかにするとともに、今後の課題についても考察する。
著者
黒澤 満
出版者
大阪女学院大学
雑誌
大阪女学院大学紀要 (ISSN:18800084)
巻号頁・発行日
no.8, pp.91-104, 2011

自由論文The purpose of this paper is to examine and propose concrete nuclear disarmament measures which should be taken following the entry into force of the New Strategic Arms Reduction Treaty (New START) on February 5, 2011. This treaty is the first concrete outcome from the famous Prague address by President Barak Obama in April 2009 and there still remain many items which should be pursued and implemented. I will take up the issues of the further reduction of strategic nuclear weapons, the reduction of non-strategic nuclear weapons, the entry into force of the Comprehensive Nuclear-Test-Ban Treaty (CTBT), the negotiation of a Fissile Material Cutoff Treaty (FMCT), and the consideration of a nuclear weapons convention. I will examine the circumstances surrounding each issue, and make proposals for their realization.本稿の目的は、2011 年2 月5 日に発効した新戦略兵器削減条約(新START 条約)に引き続き取られるべき具体的な核軍縮措置を検討し提案することである。この条約は2009年4 月のオバマ大統領による有名なプラハ演説の最初の具体的な成果であり、まだ追求し履行されるべき多くの課題が残されている。 ここでは、戦略核兵器の一層の削減、非戦略核兵器の削減、包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効、核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の交渉および核兵器禁止条約の審議を取り上げ、それぞれの問題を取り巻く状況を検討し、進むべき方向を提案する。