著者
黒田 友貴
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.113-116, 2019-12-21 (Released:2019-12-18)
参考文献数
11

本研究では、愛媛大学理学部が実施した新入生セミナーAに着目し、授業日程を短期かつ集中的な日程で実施したことによる効果について検討を行なった。その結果、メインプログラムが終了した時点での調査結果であることに留意が必要なものの、到達目標の達成度はすべての項目でほぼ9割を越えており、授業において十分な学修機会が確保されていることが確認され、ソーシャル・スキルへ効果やSTEM人材に求められる能力においても全ての項目で8割以上の受講者が学修到達度については肯定的な回答をしていることから、短期的な日程においても十分学修を担保できることが明らかとなった。今後の課題として、学修効果の持続性に関する調査や基礎的な大学生活に必要なスキルの獲得とプログラムの関係性について検討することが挙げられる。
著者
黒田 友貴
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 45 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.281-284, 2021 (Released:2021-12-20)
参考文献数
11

本研究では,STEM人材の養成の特徴的な教育事例から,ポリシー策定やプログラムにより目指すべき方向性に関する考察を行なうことを目的としている.事例のクイーンズランド工科大学の教学マネジメントの特徴は,University-wide STEM strategyが,6項目にまとめられており,初中等教育を含むSTEM教育全体に積極的に関与すること,社会にどのような貢献をSTEM分野で行なうのかを明記していることが挙げられる.また,STIMulateプログラムが提供されており,専門分野の文脈を踏まえた移行支援プログラムの展開がされており,大規模大学であっても在学生を活用したピアエデュケーションが多用されていることが明らかになった.今後の課題として,学生に対するインタビュー調査やアンケート調査などを実施し,教学マネジメントによるプログラム運用による教育効果を検討することが挙げられる.
著者
黒田 友貴
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 42 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.437-438, 2018 (Released:2019-06-14)
参考文献数
4

本研究では,愛媛大学理学部で実施された科学コミュニケーション科目帯のカリキュラム改変に着目し,受講者に対する質問紙調査での自己評価結果から改変にともなう効果について検討を 行なった.その結果,受講者数に留意する必要があるが,プログラム内容等の一部が変わっても 到達目標の達成度は一定の効果がみられたが,養成を目指す能力については前年度以前の受 講者と比べて低い値となった.また,到達目標や養成を目指す能力とカリキュラムとの関係性を 多面的に検討することが今後の課題である.