著者
山本 輝太郎 石川 幹人 菊池 聡
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 42 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.341-342, 2018 (Released:2019-06-14)
参考文献数
4

本研究では,疑似科学に関するオンライン上での議論を手がかりとして,それらの中で「誤った論法=誤謬」がどのように見られるかについて分析した。分析の結果,オンライン上のコメントでは 意味の曖昧さや多義性につけ込み,受け手(閲覧者)に対して先入観を与えるタイプの誤謬が 多く見られた。本報告では,分析結果とともに誤謬を見抜く取り組みの必要性について論じる。
著者
高橋 哲也 波佐間 仁美 小椋 郁夫 村田 公ー
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 42 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.305-306, 2018 (Released:2019-06-14)
参考文献数
5

本研究は「雲」の単元の導入で使用できるための、子どもに「雲」に興味や関心を持たせるための演示教材を製作するために行なった。そのため子どもに非常に人気が高い漫画 ONE PIECE に登場する天候棒(クリマタクト)の形状を模して、これにより「雲」と呼べるものを発生させることができる方法を検討した。粉砕したドライアイスと塊状のドライアイスとを約 60℃の湯と混合できるようにし、漫画 ONE PIECE のシーンを模して白煙を発生させるクリマタクト型の道具を作成することができた。
著者
土井 徹
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 42 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.235-236, 2018 (Released:2019-06-15)
参考文献数
2

日本の小学校生活科の教科書にある学習後のアメリカザリガニの扱いに関する記述について調査した。その結果,約 30 年の間に,記述なしあるいは野外への放逐を推奨する記述から,野外放逐と飼育継続を選択させる記述を経て,飼育継続を推奨する記述へと変遷していることが明らかとなった。
著者
副島 大陸 牧下 英世
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 42 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.485-486, 2018 (Released:2019-06-14)
参考文献数
3

本研究では ICT 機器の 3D プリンタを数学に活用し,積分による体積導出における教材を開発した。また,開発教材を用いた研究授業を行い,その有用性を考察した。その結果,学生の単元への意欲, 関心を向上させるといった効果を得ることができた。
著者
山崎 貞登
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 42 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.199-202, 2018 (Released:2019-06-14)
参考文献数
10

小学校プログラミング学習において,公教育と私教育が共有化し協働できる学習到達目標及び学習評 価規準の設定と,評価基準性,信頼性,妥当性の確立が強く要望されている。一方,学習評価の実践研究が思うように進んでいない現状がある。そこで,本稿では,ベネッセ(2017),高嶋(2018),大森ら(2018),山崎ら(2017ab),山崎(2018)が提案した小学校段階におけるプログラミング学習の到達目 標と評価規準について紹介し,問題の克服に向けた解決策について提案する。
著者
加納 安彦
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 42 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.337-340, 2018 (Released:2019-06-14)
参考文献数
3

「健康食品」の利用頻度は非常に高い反面、健康の増進や疾患の予防を謳いながら実体 のない食品は多く、その宣伝・広告も身の回りにあふれている。これらは、医療関係者 にも少なからず影響しているのではないかと考えられる。そこで、市民と医療従事者をともに対象にして、健康食品の摂取や疑似科学の浸透程度について調査した。一般市民同様に医療従事者も高い割合で健康食品を摂取していたが、その一方で許認可に関する規則について正しい知識は普及していない。疑似科学的な宣伝は広く浸透しており、一部の内容では一般市民の認識と医療従事者の認識に大きな違いは見られなかった。
著者
伊藤 裕子
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 42 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.347-348, 2018 (Released:2019-06-14)
参考文献数
2

本研究は,政策事例として「電子版のお薬手帳の普及」を対象とし,政策実現に科学教育が貢献 し得るかどうかを検討した。一般人対象にアンケートを実施し、その分析より,政策実現のために は,年齢の高い人には情報教育,若い人には科学(医薬)教育が必要であることが示唆された。
著者
塩瀬 隆之 後藤 崇志 加納 圭
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 42 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.61-62, 2018 (Released:2019-06-14)
参考文献数
5

本稿は,科学的リテラシーに必要な「認識に関する知識」を評価するために、どのような項目が必要かを特定するため、PISA 型の過去問について回答理由まで掘り下げた追加設問への回答傾向から偽陽性、偽陰性の傾向を分類、どのような項目候補が想定されるか、調査結果について概説する。
著者
中村 剛
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 42 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.269-272, 2018 (Released:2019-06-15)
参考文献数
8

本研究は,高等学校数学科の授業において,深い学びがなされている状態を把握するために,単元の体系的理解の様相を捉える授業実践とその分析を行ったものである。その際,ICE モデル(Sue,2013)に照らし合わせた振り返りシートを用いた。また,単元の最後には,日々の授業がどのように結びついているかを表現する体系化シートによって,生徒の体系的理解の様相を捉えるという活動を取り入れた。単元終了後に客観評価テスト及び質問紙調査を行った結果,学習者が単元内の学習事項を体系的につなげる事ができている方が,客観評価テストにおいても良い結果が得られたが,質問紙調査においてはつながりを意識していない学習者が多かった。これを受けて,単元の体系的な見通しや,つながりを意識させる工夫について考察した。
著者
黒田 友貴
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 42 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.437-438, 2018 (Released:2019-06-14)
参考文献数
4

本研究では,愛媛大学理学部で実施された科学コミュニケーション科目帯のカリキュラム改変に着目し,受講者に対する質問紙調査での自己評価結果から改変にともなう効果について検討を 行なった.その結果,受講者数に留意する必要があるが,プログラム内容等の一部が変わっても 到達目標の達成度は一定の効果がみられたが,養成を目指す能力については前年度以前の受 講者と比べて低い値となった.また,到達目標や養成を目指す能力とカリキュラムとの関係性を 多面的に検討することが今後の課題である.
著者
安田 淳一郎 千代 勝実 渡辺 絵理子 飯島 隆広
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 42 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.133-134, 2018 (Released:2019-06-14)
参考文献数
2

山形大では学習達成度の直接評価を目的として,2017 年度より「基盤力テスト」を全学的に実施して いる。基盤力テストの特徴としては,受験者がスマートフォンを用いて解答すること,受験者の解答に 応じて出題される設問が変わる形式(コンピュータ適応型テスト)を採用していることが挙げられる。本 報告では,基盤力テストの開発方法,および,これまでの実施データの分析結果について報告する。