著者
黒﨑 佐仁子
雑誌
聖学院大学論叢 = The Journal of Seigakuin University (ISSN:09152539)
巻号頁・発行日
vol.第34巻, no.第2号, pp.69-83, 2022-03-15

本稿は「な(さ)過ぎ」を含む複合語の使用実態調査を目的とする。過剰を表す「過ぎ」は,様々な品詞と接合する。助動詞「ない」と接合すると,「な過ぎ」や「なさ過ぎ」となり,「さ」の挿入が起こり得る。本研究では,以下の問いを課題とする。(1)「な過ぎ」と「なさ過ぎ」の出現割合は変化しているのか。(2)どのような動詞が「な過ぎ」または「なさ過ぎ」と接合するのか。(3)「な過ぎ」と「なさ過ぎ」の出現割合は,話者の出身地と関係があるのか。 国会会議録を資料として調査を行い,「さ」の有無は,年代によって割合は変化していないこと,動詞の活用型や話者の出身地が関係していることが明らかになった。