著者
野地 保 荻野 正 齊藤 まゆ子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SWIM, ソフトウェアインタプライズモデリング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.70, pp.7-11, 2010-05-28
被引用文献数
1

救急医療の現場では,救急隊員が搬送先と直接連絡して受け入れ先を探索する手法を用いており,救急患者の受け入れ先を探索して決定するまで長い時間を要するため,結果として「たらい回し」の現象に繋がっている.我々は,探索時間の短縮を図るため,同時に発言できるチャットシステムを同報通信手段として用い,共有するクラウド上の空き情報に基づき,受け入れ可能な病院を探し当てる搬送先探索モデルを提案する.我々の電話探索モデルとチャット探索モデルの実現性評価結果では,チャット探索モデルは,電話探索モデルに比べて,救急患者の受け入れ先病院が3件以上決まらない場合に時間短縮の効果が得られた.提案するモデルは,救急医療における搬送先探索モデルとして有効であることが分かった.