- 著者
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齊藤 由里恵
- 出版者
- 日本財政学会
- 雑誌
- 財政研究 (ISSN:24363421)
- 巻号頁・発行日
- vol.4, pp.201-217, 2008 (Released:2022-07-15)
- 参考文献数
- 15
本稿では,地方交付税がもつ財政調整機能によって,地方公共サービスの住民負担がどれだけ平準化されているか,地域間の財政調整機能を個々の経費ごとに分析をした。また,人口規模が全体の不平等化に及ぼす要因,各経費の全体の不平等度への寄与を分析した。 本稿の分析結果は次の通りである。①キング尺度による不平等度の測定では,財政調整前の財源(地方税)よりも財政調整後の財源(地方税+地方交付税)の不平等度が高い。そして,財政調整前財源と財政調整後財源の順位が大幅に逆転している。②経費別のキング尺度の結果では,各経費の総額と人件費はほとんど同様の値を示している。③タイル尺度による要因分析では,人口規模グループ別寄与度は,人口規模の小さい地域が全体の不平等度に寄与している。また,総額の構成要素の分解より,人件費が総額の不平等度を引き上げる要因であることが示された。