著者
齋藤 小豊 星野 健 鈴木 順 山内 広平 井上 洋西 千葉 俊美 折居 正之 鈴木 一幸
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.1025-1032, 2008-12-01

潰瘍性大腸炎(以下,UC)では,ストレスとの関連が以前より指摘されている.そこでストレスの指標の1つとされている唾液中クロモグラニンA濃度(以下,CgA)をUC患者と正常対照で計測し,その後各種心理検査(SDS,STAI,POMS)と疾患特異的QOL質問票であるIBDQも行った.UC患者の唾液中CgAは,正常対照と比較して高い傾向があったが有意差はなかった.研究導入時の重症度で分けても,軽症と中等症で唾液中CgAに有意差はなかった.しかしステロイド抵抗性の難治群では正常対照より有意に唾液中CgAが高値であり(p=0.021),非難治群と比べても高値だった(p=O.O13).難治性UC患者でストレスの関与が示唆され,唾液中CgAはその評価方法となることが示唆された.