著者
森田 麻登 Asato Morita
出版者
共栄学園短期大学
雑誌
共栄学園短期大学研究紀要 (ISSN:09115358)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.167-176, 2011-03-31

本研究の目的は、快と不快の感情価が主観的な時間経過の評価に及ぼす影響を検討することであった。大学生16 名(男性3 名、女性13 名)を対象に、快と不快の感情価を喚起する24 枚の画像を一定時間(3 秒、6 秒、9 秒、12 秒)呈示し、1 枚呈示されるごとに表示されていた時間を秒単位で主観的に評価するよう求めた。呈示された時間間隔と主観的な評価時間のずれを比較したところ、不快条件下で評価された時間は、快条件下で評価された時間よりも有意に長かった。また、不快条件下での評価時間は快条件下での評価時間と比べて、呈示された時間間隔に近いことが確認された。本研究の結果より、感情価によって引き起こされる記憶の情報量、興味・感心、さらに動機づけの強さが主観的な経過時間の評価に影響を及ぼす可能性が示唆された。