- 著者
-
F. W. FOONG
- 出版者
- 公益社団法人 日本薬学会
- 雑誌
- ファルマシア (ISSN:00148601)
- 巻号頁・発行日
- vol.50, no.9, pp.900-902, 2014 (Released:2016-09-17)
- 参考文献数
- 2
- 被引用文献数
-
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まず最初に,討論をはじめとする意思疎通のための科学英語をよりよく理解する上で非常に有用なヒントおよび基本的事項を紹介する.基本的には,科学英語における文法は一般英語と同様であるが,多種多様な各分野特有の用語を理解し,発音なども含めて習得する必要がある.また,一般英語では見慣れない特殊な用語や用法もある.例えば,apoptosisのようにギリシア語に由来するものは通常の辞書には載っていないし,意味は分かっても発音できないことがある.また,一般英語ではexpressionという言葉の複数形はないが,核酸・遺伝子関係の研究論文ではしばしば複数形expressionsが使われる.さらには,“Diabetes-induced neuropathy patients(n=40) who satisfied the test criteria were enrolled for the study.”の文中のdiabetes-induced,neuropathyおよびenrolledという語や用法は学術的な文章ではよく見られるが,一般にはあまり使われない.一般英語では,“cardiovascular disease patients”のようなnoun+nounの表現は正しくない用法とみなされている(特に,ヨーロッパにおいて).さらに一般英語では許しがたいnoun+noun+nounのような複合名詞が,科学論文にはしばしば使われる.“Rat brain extracts”や“three-dimension expression”などはその例である.また,“After centrifugation at 1,500×G for 3 min at 4℃, the yellowish supernatant was decanted into a test tube and stored at -30℃ until use”におけるcentrifugation,supernatantおよび略語“1,500×G”やminなどは,学術論文・報告書などに見られる独特の用語や表現である.