著者
F. W. FOONG
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.795-798, 2015 (Released:2018-08-26)
参考文献数
1
被引用文献数
1

科学的研究において広く使用されるラテン語とギリシャ語およびそれらの使用法を理解し,習得することはとても大切である.ラテン語およびギリシャ語の基本を知ることが,科学的な報告を理解したり,論文原稿を読み書きする際の効率アップにつながるからである.また,冗長で扱いにくい文章も,ラテン語の術語を用いると簡潔に表現できることがある.さらに,研究発表の資料作成の際にも大変有用である.今回は,以下の3項目に焦点を当てて簡潔に説明する.すなわち,1.論文等で汎用されるラテン(略)語,2.ラテン語およびギリシャ語の単数形と複数形,ならびに,3.ラテン語やギリシャ語から造り出された新術語である.なお最近,米語論文誌の中には,特定のラテン(略)語(例えば,i.e.,viz.など)の使用を制限する傾向があるが,英欧系英語論文誌では今後もラテン(略)語が使用されると考えられる.
著者
F. W. FOONG
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.50, no.9, pp.900-902, 2014 (Released:2016-09-17)
参考文献数
2
被引用文献数
1

まず最初に,討論をはじめとする意思疎通のための科学英語をよりよく理解する上で非常に有用なヒントおよび基本的事項を紹介する.基本的には,科学英語における文法は一般英語と同様であるが,多種多様な各分野特有の用語を理解し,発音なども含めて習得する必要がある.また,一般英語では見慣れない特殊な用語や用法もある.例えば,apoptosisのようにギリシア語に由来するものは通常の辞書には載っていないし,意味は分かっても発音できないことがある.また,一般英語ではexpressionという言葉の複数形はないが,核酸・遺伝子関係の研究論文ではしばしば複数形expressionsが使われる.さらには,“Diabetes-induced neuropathy patients(n=40) who satisfied the test criteria were enrolled for the study.”の文中のdiabetes-induced,neuropathyおよびenrolledという語や用法は学術的な文章ではよく見られるが,一般にはあまり使われない.一般英語では,“cardiovascular disease patients”のようなnoun+nounの表現は正しくない用法とみなされている(特に,ヨーロッパにおいて).さらに一般英語では許しがたいnoun+noun+nounのような複合名詞が,科学論文にはしばしば使われる.“Rat brain extracts”や“three-dimension expression”などはその例である.また,“After centrifugation at 1,500×G for 3 min at 4℃, the yellowish supernatant was decanted into a test tube and stored at -30℃ until use”におけるcentrifugation,supernatantおよび略語“1,500×G”やminなどは,学術論文・報告書などに見られる独特の用語や表現である.
著者
F. W. FOONG
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.1009-1011, 2014 (Released:2016-09-30)
参考文献数
1
被引用文献数
1

前回は科学的思考および概念を表現するために,Qualitative,Quantitative,Specific,Objectiveが重要であることを概説した.そこで今回より2回にわたり,科学英語を「書く」際に必要とされる文法の基本を習得することの重要性に焦点を当てて解説する.