著者
大村 直人 本多 佐知子 白杉 直子 原 真衣子 池田 和哉 GHOBADI Narges
出版者
神戸大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、主に調理における人間の撹拌動作の中の暗黙知に着目した。5人の熟練者と2人の非熟練者の撹拌動作を観察した。生クリームの状態は、生クリームの気泡巻き込み量を示すオーバーランとレオロジー特性を用いて評価した。動作解析においては、被験者の肘、手首、泡だて器の柄の3点にマーカーを設置して、その動きを記録した。生クリームの混合過程を、食紅をトレーサーとして可視化した。5人の熟練者はいずれも、非熟練者よりも約半分の時間でオーバーランのピーク値に到達し、その値も100を超えた。動作解析より、熟練者は非熟練者の動きに比べ、肘、手首、泡だて器の運動は同期しておらず、複雑でカオス的であることがわかった。