著者
大村 直人 本多 佐知子 白杉 直子 原 真衣子 池田 和哉 GHOBADI Narges
出版者
神戸大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、主に調理における人間の撹拌動作の中の暗黙知に着目した。5人の熟練者と2人の非熟練者の撹拌動作を観察した。生クリームの状態は、生クリームの気泡巻き込み量を示すオーバーランとレオロジー特性を用いて評価した。動作解析においては、被験者の肘、手首、泡だて器の柄の3点にマーカーを設置して、その動きを記録した。生クリームの混合過程を、食紅をトレーサーとして可視化した。5人の熟練者はいずれも、非熟練者よりも約半分の時間でオーバーランのピーク値に到達し、その値も100を超えた。動作解析より、熟練者は非熟練者の動きに比べ、肘、手首、泡だて器の運動は同期しておらず、複雑でカオス的であることがわかった。
著者
城 仁士 二宮 厚美 青木 務 白杉 直子 井上 真理 近藤 徳彦
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

3年間を通じて、以下の4つのアプローチを行った。1.生活環境心理学的アプローチ:集団ケアからユニットケアへの転換を試みた施設での移行研修プログラムの具体的な展開例を検討し、ケアスタッフの意識の転換を図るプログラムの検証を行った。2.社会システム論的アプローチ:「改正介護保険下の介護問題とユニットケア」をテーマに、2005年改正された介護保険のもとで、在宅ケアだけではなく、施設介護でもさまざまな問題が起こっている。それらを現段階で整理しつつ、ユニットケアに提起されている課題をコミュニケーション論から理論的に考察した。3.生活環境論的アプローチ:以下の3つの分野において実施した。衣環境:ケアを必要とする高齢者の日常生活に浸透しつつある様々なスマートテキスタイルの機能を紹介するとともに、開発現状の問題点を踏まえながらも、より豊かな生活のための利用方法についてまとめた。食環境:食の情報が氾濫する中で、健康や食の安全をどのように考え。食生活を楽しめば良いのかという観点から、緑茶、おやつの楽しみ、お漬け物、お味噌汁などを題材にして、高齢期の食生活の楽しみ方をまとめた。住環境:高齢者にとって住宅内がバリアフリーであればそれだけでいいのかという問題意識により、デンマークやスウェーデンで視察した住環境の資料を参考にしながら生活意欲を高める住まいの工夫を整理した。4.環境生理学的アプローチ:高齢期の温度環境への適応問題を取り上げ、寒さ・暑さへの備えと心がまえについての提言をまとめた。また高齢者の転倒について運動生理学的に検討し、転倒予防について具体的に提言した。