本研究では、日本の現代演劇の成立過程と現状を、上演テクストに注目して考察することで、日本現代演劇史を見直す視点を提供することを第一の目的として研究を行ってきた。現代日本演劇史において、西洋演劇が与えた影響や、日本演劇が西洋演劇に与えた影響を視野に収めることで、グローバルな視覚から世界演劇史に切り込むことが可能となった。本研究の最も大きな成果は、現代日本演劇史を上記のような視点から見直した結果としてのA History of Japanese Theatre『日本演劇史』の出版である。研究代表者は、3年間の研究を基に、研究分担者および研究協力者とともに演劇史の執筆を開始し、ケンブリッジ大学出版局との出版が決まっている。