- 著者
-
Guiamet Juan Jose
Nakayama Fermin
- 出版者
- 日本作物學會
- 雑誌
- 日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
- 巻号頁・発行日
- vol.53, no.3, pp.p299-306, 1984-09
熟期の異なるダイズ品種, McCall (00), A-100 (I), Williams (III), Forrest (V), Ransom (VII) および Alamo (IX) を供試して, 開花以後の長日に対する反応の差異を調べた. 材料を開花まで短日下(自然光9時間)で育て, 開花後そのまま短日条件を続けたと区と, 長日条件(短日区の暗期に3時間の低照度補光)にした区とを設け, 比較した. 長日は, A-100 を除くすべての品種で栄養生長を促進したが, Williams では頂端生長の促進, Forrest, Ransom, Alamo では分枝数の増加によるものであった. 後者の場合, 長日下で発生した分枝には花がつかず, ニ次三次の分枝が生長した. 長日は, すべての品種, とくに Williams, Forrest, Ransom において生殖生長期間を延長させた. これら3品種と Alamo では長日により開花数が増加したが, 熟期の遅い品種ほどその程度は小さく, 脱落する花器の割合は高くなった. その結果, 成熟期における長日区の莢数と種子数は, McCall, Williams, Forrest および Ransom では増加したが, 花器の脱落が著しかった Alamo では減少した. 一方, 粒大は McCall を除いて長日により減少した. 長日区の子実収量は, 結局, Williams でのみ増加し, Alamo では短日区の約25%にすぎなかった.