著者
Guiamet Juan Jose Nakayama Fermin
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.p35-40, 1984-03

ダイズ品種Williamsを第1本葉展開時以降短日下 (自然光9時間) で栽培し, 開花始めより次の処理を行った. A-実験終了時まで短日のまま, B-実験終了時まで長日 (低照度3時間補光), C-子実肥大始めまで長日, D-子実肥大始めより肥大中期まで長日, E-子実肥大中期より実験終了時まで長日, F-子実肥大始めより実験終了時まで長日. 処理Aが生理的成熟期に達したとき実験を終了し, すべてを収穫した. 主茎頂端の生長はBとCで延長された. 一方, これらの処理では, 着莢節あたり莢数の両方が増加する結果, 個体あたり莢数および種子数が対象 (A) よりも有意に大となった. 収穫時では, 茎, 葉柄, 葉身の乾物重およびSLWのすべてがBで最大であった. C, DおよびFの葉柄, 葉身乾物重およびSLWもまたAより大であった. 平均一粒重は長日で減少し, Bが最小を示した, 子実生長率は長日により減少した. 莢の成熟と葉の老化はB, C, DおよびFで遅延した.
著者
Guiamet Juan Jose Nakayama Fermin
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.p299-306, 1984-09

熟期の異なるダイズ品種, McCall (00), A-100 (I), Williams (III), Forrest (V), Ransom (VII) および Alamo (IX) を供試して, 開花以後の長日に対する反応の差異を調べた. 材料を開花まで短日下(自然光9時間)で育て, 開花後そのまま短日条件を続けたと区と, 長日条件(短日区の暗期に3時間の低照度補光)にした区とを設け, 比較した. 長日は, A-100 を除くすべての品種で栄養生長を促進したが, Williams では頂端生長の促進, Forrest, Ransom, Alamo では分枝数の増加によるものであった. 後者の場合, 長日下で発生した分枝には花がつかず, ニ次三次の分枝が生長した. 長日は, すべての品種, とくに Williams, Forrest, Ransom において生殖生長期間を延長させた. これら3品種と Alamo では長日により開花数が増加したが, 熟期の遅い品種ほどその程度は小さく, 脱落する花器の割合は高くなった. その結果, 成熟期における長日区の莢数と種子数は, McCall, Williams, Forrest および Ransom では増加したが, 花器の脱落が著しかった Alamo では減少した. 一方, 粒大は McCall を除いて長日により減少した. 長日区の子実収量は, 結局, Williams でのみ増加し, Alamo では短日区の約25%にすぎなかった.