著者
伊﨑 久美 イザキ クミ Izaki Kumi
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学社会文化研究 (ISSN:1348530X)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.318-305, 2017-03-25

ユク河ノナカレハタエスシテ シカモゝトノ水ニアラス ヨトミニウカフウタカタハ カツキエ カツムスヒテ ヒサシクトゝマリタルタメシナシ 世中ニアル人ト栖ト 又カクノコトシ 『方丈記』の有名な冒頭文である。冒頭第一文<ユク河-水>の叙述から、第二文を経て第三文<人と栖>の主題に移る。その後<人ノスマヒ><トコロモ-人モ><カリノヤトリ>の避板法で、この<人と栖>の主題は展開していく。冒頭第二文の、<ユク河>に浮かぶ<ウタカタ>が、何故<キエ-ムスヒテ>なのか、つまり<消滅-生成>の対偶について考察する。