著者
Jack T. Moyer Martha J. Zaiser
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.466-468, 1982-02-27 (Released:2010-06-28)
参考文献数
4

1980年8月15日16時30分, 三宅島の水深12mの地点で全長約90cmの2尾のウツボGymnotborax kidakaが産卵しているのを観察した.両者は尾部をゆるくからませていたが, 突然腹部を押しつけ合ってから離れた.その瞬間精子による水の白濁が観察された.卵は直径約2mmの丸い浮性卵で, 親魚による卵の保護は観察されなかった.1980年7月29目19時30分には, 岸近くの水深2.5mの地点で, 全長約25cmのUropterygtus necturus4尾が群がって行動しているのを観察した.これは産卵直前の行動と思われた.
著者
John E. McCosker 波戸岡 清峰 佐々木 邦夫 Jack T. Moyer
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.261-267, 1984-11-20 (Released:2010-06-28)
参考文献数
30

日本産キカイウツボ属魚類Uropterygiusの再検討を行った結果, コゲウツボU.concolar, キカイウツボU.bennettii, ナゴキカイウツボU.nagoensis, シズクキカイウツボ (新称) U.marmoratus, ホシキカイウツボU.macrocephalus, アミキカイウッボU.micropterus, の6種の分布を確認し, あわせてその検索を掲げた.これまでホシキカイウツボと称され報告されてきたキカイウツボ属の1種はU.marmoratusではなくU.macrocephalusであり, 従ってU.marmoratusの記録は本邦初となる, また, U.macrocephalusの確認は本種の分布を太平洋全域に広げた.
著者
Jack T. Moyer 佐野 光彦
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.108-112, 1987-06-10 (Released:2010-06-28)
参考文献数
25

三宅島の伊ケ谷湾ではウミスズメとシマウミスズメのなわばりがかなり重複するため, 両種の食性を調べ, 食いわけを行っているかどうかを明らかにした.ウミスズメは岩や転石に付着する海綿類や腹足類の卵を主に食べていたのに対し, シマウミスズメは砂地に生息する多毛類や, 岩や転石に付着するホヤ類を主に摂餌していた.両種の餌には明瞭な差があることが判明した.
著者
Jack T. Moyer
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.148-160, 1979-09-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
23

三宅島沿岸に見出されるハコフグ科3種 (シマウミスズメ, ウミスズメ, ハコフグ) の産卵生態について報告した, 上記のうちシマウミスズメにっいてはとくに詳細な観察がなされた。上記3種は1尾の雄と2-4尾の雌から成るハーレムを形成し, 産卵はこのハーレム内においてペアで行われる。シマウミスズメについて組織学的な検討を行った結果では, これら3種に雌雄同体現象は見出せないようである.ウミスズメとハコフグは午後おそく水面近くで産卵するガシマウミスズメは日没の10~20分後に海底の基盤付近で産卵する.本3種の産卵習性の相違と, 3種とも雄よりも雌の個体教が多い理由にっいては捕食圧との関連が推察された、また, ハコフグ類の皮膚分泌毒ostracitoxinの役割についても捕食との関連が論じられた.