著者
波戸岡 清峰 瀬能 宏 矢野 幾維 鈴木 寿之
出版者
神奈川県立生命の星・地球博物館(旧神奈川県立博物館)
雑誌
神奈川県立博物館研究報告(自然科学) (ISSN:04531906)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.50, pp.47-53, 2021 (Released:2021-03-30)

八重山諸島西表島のユチン川の淡水域から Gymnothorax polyuranodon (Bleeker, 1853) と同定される本邦初記録のウツボ科魚類の一種が採集され、コクハンカワウツボという新標準和名を付し、標本の詳細な記載を行った。今回の出現は偶発的なものと思われるが、今後、保全生物学的観点から本種の動態を注視していく必要がある。
著者
波戸岡 清峰
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.379-386, 1986-03-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
17

ウツボ科魚類において顎歯の形態, 配列様式は重要な分類形質となるが, その顎歯に性的二型のあることがアラシウツボ属Echidna2種, ウツボ属Gymnothorax 1種において観察された.アラシウツボ属のクモウツボE.nebulosaとシマアラシウツボE.polyzonaでは歯の形態に差異が認められる.これら2種の雄は前上顎骨板周辺列の歯が鋭い.またクモウツボの雄ではこの部分の歯および下顎前部の歯に顕著な鋸歯状部を持つ。一方, 両種の雌は鈍い円錐状である.
著者
波戸岡 清峰 瀬能 宏 矢野 幾維 鈴木 寿之
出版者
神奈川県立生命の星・地球博物館(旧神奈川県立博物館)
雑誌
神奈川県立博物館研究報告(自然科学) (ISSN:04531906)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.50, pp.47-53, 2021

八重山諸島西表島のユチン川の淡水域から <i>Gymnothorax polyuranodon</i> (Bleeker, 1853) と同定される本邦初記録のウツボ科魚類の一種が採集され、コクハンカワウツボという新標準和名を付し、標本の詳細な記載を行った。今回の出現は偶発的なものと思われるが、今後、保全生物学的観点から本種の動態を注視していく必要がある。
著者
宮原 一 波戸岡 清峰 矢部 衞 仲谷 一宏
出版者
日本生物地理学会
雑誌
日本生物地理学会会報 (ISSN:00678716)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.15-19, 2003-12-12
参考文献数
14

ウツボ科ウツボ属魚類オキナワノコギリウツボGymnothorax elegansが沖縄県の石垣島近海から採集された. 本種はこれまで日本からは, Randall et al. (1997) が小笠原近海から日本初記録として学名と写真を報告, また, 波戸岡 (2000) が沖縄本島近海から尾部が欠損した不完全個体について報告しているが, 詳細な記載はなされなかった. 本研究では新標本に基づき, 形態および体色の記載を行った.
著者
波戸岡 清峰
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.20-22, 1984-05-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
9

沖縄本島名護魚市場において, 延縄による漁獲物中からウツボ類の1新種を得たのでUropterygius mgo-msis (新称: ナゴキカイウツボ) としてここに記載した。本種は垂直鰭が尾端部にのみ存在すること, 体側背方に鰓孔を持つこと, 頭長に対する上顎長の割合が大きく (40.6%), 吻長の割合が小さいこと (13.3%), 下顎がいくぶん湾曲し両顎は完全に閉じられないこと, 不明瞭な網目状斑紋を持つこと等により他のウツボ科魚類と容易に区別される.
著者
John E. McCosker 波戸岡 清峰 佐々木 邦夫 Jack T. Moyer
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.261-267, 1984-11-20 (Released:2010-06-28)
参考文献数
30

日本産キカイウツボ属魚類Uropterygiusの再検討を行った結果, コゲウツボU.concolar, キカイウツボU.bennettii, ナゴキカイウツボU.nagoensis, シズクキカイウツボ (新称) U.marmoratus, ホシキカイウツボU.macrocephalus, アミキカイウッボU.micropterus, の6種の分布を確認し, あわせてその検索を掲げた.これまでホシキカイウツボと称され報告されてきたキカイウツボ属の1種はU.marmoratusではなくU.macrocephalusであり, 従ってU.marmoratusの記録は本邦初となる, また, U.macrocephalusの確認は本種の分布を太平洋全域に広げた.