著者
水本旭洋 KhaledEl-Fakih 安本慶一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.25, pp.1-6, 2013-12-04

本論文では,スマートハウスにおいて省エネルギーに様々なデバイスをコンテキストアウェア制御することを目的に,任意の 2 つのコンテキスト間を最小コストで遷移させるデバイス操作シーケンスを導出するツール PathSim を提案する.PathSim は,スマートスペースにおけるコンテキストの各構成要素の値域を有限個の範囲に分割することで,コンテキストを有限個の要素からなる空間として扱う.そして,各コンテキストにおいて任意のデバイスの操作イベントを実行した時に遷移するコンテキストをシミュレーションにより求めていくことで,最小コストで目的のコンテキストに遷移するデバイスの操作シーケンスを A* アルゴリズムに基づいて導出する.スマートスペースにおける典型的な要求仕様を想定したケーススタディを通して評価実験を行った結果,PathSim によって導出された操作シーケンスが,人が直感的な方法でデバイスを操作する場合と比べ,デバイスの合計消費電力量を 72% 削減できることを確認した.