著者
黒沼 善博 くろぬま よしひろ Kuronuma Yoshihiro 沖縄大学地域研究所特別研究員 株式会社大林組
出版者
沖縄大学地域研究所
雑誌
地域研究 = Regional Studies (ISSN:18812082)
巻号頁・発行日
no.22, pp.149-171, 2018-10

南西諸島に位置する宮古島は、生活・農業・産業用水のほとんどを地下水に依存しているが、多雨な気候であるにもかかわらず、地質上、水源確保が困難な環境にあった。その克服策として、地下水の安定的な供給を行うために建設されたのが地下ダムである。地下ダム建設を端緒に、さらなる再生可能エネルギーを構築するため、風力発電、太陽光発電、バガス発電、メタン発酵、バイオエタノール製造など資源再生を行う施設が島内に次々と建設された。 島嶼環境における有限資源の持続を可能にするのは、建設技術の複合と応用である。本稿では、宮古島で展開されている環境技術を分析し、島嶼環境における資源再生技術の将来性を展望する。