著者
Muhammad Hasinur RAHMAN 河合 成直 Shah ALAM Sirajul HOQUE 田中 章浩 伊藤 實
出版者
Japanese Society for Tropical Agriculture
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.129-135, 1999-09-01 (Released:2010-03-19)
参考文献数
27

農耕車輌などの踏圧による締固めが黒ボク土の特性とコムギ (Triticum aestivum L.cv.Nanbu-Komugi) の生長に及ぼす影響について, 温室環境下で検討した.測定は, 土壌の仮比重, 水分保持力, 全孔隙率, および, 草丈, 分げつ数, 茎および根の乾物重量, 根の体積・最大重・密度・バイオマス, 蒸発散量, 要水量および栄養消費量について行った.本研究から以下の結果が得られた.土壌締固めにより, 黒ボク土の仮比重は統計的に有意に増加し, 水分保持力と全空隙率は減少した.コムギの茎と根の生育量および蒸発散量は, 土壌の締固めにより, 著しく低下することが認められた.その反面, 要水量は締固め土壌で増加していた.また, 根: 茎葉の割合は高締固め土壌において高い数値を示した.しかし, 根の密度およびバイオマスは, 逆に高締固め土壌において低い値となった.さらに, 養分吸収量は土壌の締固めにより, 有意に減少した.