著者
サハ ウタム クマール ハスナット モハマド アブル ハイダー ジャミル サハ ルパ ラニ 河合 成直
出版者
日本熱帯農業学会
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.71-77, 1998

1993~1994年にかけ, Bangladesh, Gazipur, SalnaにあるInstitute of Postgraduate studies in Agricultureの圃場においてキャベツ (<I>Brassica oleracea</I> var. <I>capitata</I> L.) の潅漑試験を行った. 供試品種としてAtlas 70を用いた. また, 試験地の土壌はシルト質埴壌土, Plinthic Paleustultである. 潅漑区として圃場容水量に対する不足割合 (DASM) を60, 45, 30, 15%に設定した区とpanによる積算水分蒸発量に対する潅漑水の比 (IW/CPE) を0.6, 0.9, 1.2に設定した区の7区を設け, さらに対照区として無潅漑区を設けた. 試験の結果, キャベツの総収量はDASM 30%, 15%区とIW/CPE比0.9, 1.2区で他の処理区に比べて明らかに高くなり, これらの値がキャベツ栽培における潅漑基準となりうることが分かった. 最も収量の多かったこれら4つの潅漑区におけるキャベツの総水分利用量は158.44~183.23mmであった.また, 市場価値のある収量 (602.35 kg/ha/mm) についての潅漑水利用効率は, 30%DASM区で最大となった.
著者
Muhammad Hasinur RAHMAN 河合 成直 Shah ALAM Sirajul HOQUE 田中 章浩 伊藤 實
出版者
Japanese Society for Tropical Agriculture
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.129-135, 1999-09-01 (Released:2010-03-19)
参考文献数
27

農耕車輌などの踏圧による締固めが黒ボク土の特性とコムギ (Triticum aestivum L.cv.Nanbu-Komugi) の生長に及ぼす影響について, 温室環境下で検討した.測定は, 土壌の仮比重, 水分保持力, 全孔隙率, および, 草丈, 分げつ数, 茎および根の乾物重量, 根の体積・最大重・密度・バイオマス, 蒸発散量, 要水量および栄養消費量について行った.本研究から以下の結果が得られた.土壌締固めにより, 黒ボク土の仮比重は統計的に有意に増加し, 水分保持力と全空隙率は減少した.コムギの茎と根の生育量および蒸発散量は, 土壌の締固めにより, 著しく低下することが認められた.その反面, 要水量は締固め土壌で増加していた.また, 根: 茎葉の割合は高締固め土壌において高い数値を示した.しかし, 根の密度およびバイオマスは, 逆に高締固め土壌において低い値となった.さらに, 養分吸収量は土壌の締固めにより, 有意に減少した.