著者
Munoz A Riber C Santisteban R RUBIO MD AGUERA EI CASTEJON FM
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.13-20, 1999-01-25
参考文献数
38
被引用文献数
27

8頭の競技馬(4頭 : アングロハンター, 4頭 : アングロアラビアン)を使用してクロスカントリー競技2種目(初級レベルと上級レベル)での心血液循環系と代謝系の反応を検討した. この研究では特に, 競技中の筋肉のエネルギー再生産に関与する主な代謝経路の解明に焦点を当てた. 競技を通して心拍数を計測し, また, 頚静脈から準備運動前, 競技直後, 5分後および10分後に採血した. 血液検査ではRBC, PCV, Hb, MCV, MCH, MCHC, WBC, LYMおよびGRANを調べた. また, 血漿中の乳酸と蛋白質量を測定し, 乳酸はその時間的消長を測定した. クロスカントリー競技はRBC, Hb, PCV, MCVと血漿蛋白質濃度の有意な上昇を起こした. 血漿乳酸濃度は4mmol/lの無酸素性作業閾値を越え, 最大13.3mmol/lに達した. 心拍数は140から200(回/分)以上で最大230を示し, これが運動中の筋肉の酸素供給の限界を示している. 以上の結果から, クロスカントリー競技中の筋肉エネルギーの再生産は酸化作用と乳酸形成を伴う解糖作用の両者によって供給されていることが判明した. すなわち, 競技馬にはスタミナと体力の養成が要求される.
著者
Munoz A. Santisteban R. Rubio M. D. Vivo R. Aguera E. I. Escribano B. M. Castejon F. M.
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.747-752, 1997-09-25
被引用文献数
2 11

8頭のアンダルシア馬 (3〜4年齢) の適性が分析された. 動物は砂質の走路で種々の2段階からなる運動テストに供した. 第1段階は4スピード (4.17, 5.56, 6.96, 8.33m/sec) を段階的に増加させ, 各々の速さで, 1,000mの距離を最大下強度で走行させた. 動物は, 4スピードの間毎に2分休ませた. 第2段階は最大相の終了2分後, 1,000mを最大スピード走行させた. 心拍数, 血漿乳酸濃度, 速度, 血液のPCV, とpHのデータを得た. 最大心拍数, 最大速度, 乳酸濃度, 乳酸のピーク値, 最小pHと最大PCVは機能的指標として評価された. 馬を分別することを可能にする重要な要素はこれらの適性値と馬を管理するトレーナの情報と関連させることである. 馬を分別するために変動する最高の弁別手段は最小pH, 乳酸濃度, 最大心拍数, と最大速度であった. 最大PCVとの関連において, 8頭の馬に差は認められなかった. 運動耐性テストにおけるこれらの機能的指標の各々の影響が議論された.