著者
渡部 徹 倉島 須美子 Pham Duy Dong 堀口 健一 佐々木 貴史 浦 剣
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.72, no.7, pp.III_505-III_514, 2016 (Released:2017-04-03)
参考文献数
27
被引用文献数
1

都市下水処理水の掛け流し灌漑により,天然の水資源を全く利用せず,窒素とカリウムの施肥なしで飼料用米「べこあおば」の栽培を行った.同じく下水処理水を循環灌漑して同品種を栽培した先行研究に比べて2倍以上の処理水を灌漑したものの,水稲の生長には顕著な変化は見られなかった.一方,収穫された玄米の栄養成分の分析では,粗タンパク質含有率(最大13.1%)が先行研究の結果や通常の水田での標準値を大きく上回っていた.粗脂肪と可溶無窒素物は標準値を若干下回ったが,処理水の連続灌漑により,高タンパクで飼料としての価値の高い米を十分な収量で収穫することができた.通常の水田の条件でも同程度の収量で栄養特性の近い米が収穫できることを示したが,それには多量の施肥が必要で収益性が低い.