- 著者
-
鈴木 和博
SUZUKI Kazuhiro
束田 和弘
TSUKADA Kazuhiro
田中 剛
TANAKA Tsuyoshi
- 出版者
- 名古屋大学博物館
- 雑誌
- 名古屋大学博物館報告 (ISSN:13468286)
- 巻号頁・発行日
- vol.25, pp.9-13, 2009-12-25
中部地方の西南日本外帯の先白亜系に ついて,愛知県豊橋市から浜名湖西方に いたる地域では,秩父帯のジュラ紀付加 コンプレックスが広く分布し比較的よく 研究されている(水垣,1985; 池田, 1990;家田・杉山,1998;丹羽・大塚, 2001;Niwa and Tsukada,2004; 堀, 2004a,b,c,2008).一方,その西方延 長にあたる渥美半島では,先白亜系は第 四系によってほとんど覆われておりあま り研究が進んでいない.渥美半島の愛知 県田原市蔵王山(Fig. 1)には秩父帯のジュラ紀付加コンプレックスが小規模に露出するが,今回, 蔵王山西斜面に露出する付加コンプレックス中の石灰岩ブロックから,後期三畳紀のコノドント化石 を見いだした.この石灰岩体の時代は,渥美半島における秩父帯の構造区分の上で重要と思われるの で,ここに報告する.