著者
田中 剛 Tanaka Tsuyoshi
出版者
名古屋大学年代測定資料研究センター
雑誌
名古屋大学加速器質量分析計業績報告書
巻号頁・発行日
vol.26, pp.120-125, 2015-03

The scientific theory being supported by noble physical chemistry or famous researchers tends to be believed. The theory sometimes cites convenient descriptions to support their intended idea and skip over inconvenient observations. This report intend to lead the readers to the well-known "power spot at Mt. Kurama" resulted in high-energy γ-rays which causes electron-pair creation. No synthesized photo or figures is used in this report, but some inconvenient data are not mentioned to insist the intended idea. This report includes the some question what is the inconvenient hidden observation against this "power spot" theory. 明確な物理化学論理や著名な学説に裏付けられた論説は、信頼されがちである。ある企図された結論に誘うために、その論旨に都合の良い記述を引用し、対立する不都合な記述の引用をさける論説もある。この報告は、読者を「京随一の鞍馬山のパワースポットは、高エネルギーのγ線が頭脳中に電子対を生成する事による現象である」との結論に誘う事を試みた。この報告の中で、合成写真や虚偽の図版は、使われていない。しかし、結論に不都合ないくつかの情報にも触れられていない。不都合な事柄はなんだろうか?この報告文は、名古屋大学基礎セミナーAにおいて、それを探すための練習資料でもある。
著者
田中 剛平 合原 一幸
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.1081-1084, 2009 (Released:2010-02-23)
参考文献数
9

新型インフルエンザが世界的に流行し, 今後さらに拡大が続くと懸念されている.今冬以降の流行に備えてワクチンの製造が急ピッチで進められているが, その製造量には限界があるため, ワクチン接種以外の予防手段を徹底することも感染拡大を防止するのに重要だと考えられている.本研究では, 患者のマスク着用や外出の自重, 部屋の換気, 非感染者の手洗いやうがいの徹底などの予防手段によって新型インフルエンザの感染力が一定の割合で低下すると仮定し, その効果について感染症流行モデルを用いて試算した.その結果, 例えば1人の感染者が生み出す2次感染者数の平均を1.4人とした場合, 上記の対策により感染力を10%減らすことができれば, その効果はワクチン約1600万人分に相当し, また最終的な罹患率を約25%減らせることが分かった.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
田中 剛 Tanaka Tsuyoshi
出版者
名古屋大学年代測定資料研究センター
雑誌
名古屋大学加速器質量分析計業績報告書
巻号頁・発行日
vol.26, pp.120-125, 2015-03

名古屋大学年代測定総合研究センターシンポジウム報告
著者
三上 貴仁 末政 直晃 伊藤 和也 田中 剛
出版者
日本自然災害学会
雑誌
自然災害科学 (ISSN:02866021)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.377-390, 2021 (Released:2021-10-08)
参考文献数
12
被引用文献数
2

2019年10月に日本を襲った台風19号は,東日本を中心に各地で大雨による被害をもたらした。 世田谷区と大田区の区境をまたぐ,多摩川,丸子川,谷沢川に囲まれた地域では,浸水災害が 発生した。本稿では,地域の概況や災害発生時の多摩川流域における雨量や水位の状況につい て整理したうえで,浸水深分布の調査により得られた地域の浸水状況について報告した。調査 により,地域の広い範囲で浸水が生じており,局所的に周囲より標高が低い場所で特に浸水深 が大きく,浸水深は最大で2 m を超えていたことがわかった。浸水高の分布からは,地域内を 西から東に向かって水が流れる状態になっていたことがわかった。
著者
佐野 和弥 伊藤 和也 田中 剛 末政 直晃 小浪 岳治 谷山 慎吾
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.22-00204, 2023 (Released:2023-03-20)
参考文献数
36

宅地擁壁の中でも空石積擁壁の地震時被害が多く発生している.しかし,施工性や施工費に課題があり宅地擁壁に最適な補強方法は存在しない.そこで,擁壁の天端から縦方向に斜杭を打設し,補強材頭部と擁壁上部を一体化させ,補強材の役割の一部を既存擁壁に担わせる簡易な耐震補強法を考えた.本研究では,その補強方法について,補強領域の大きさや補強材設置角度が補強効果に与える影響を検討するため,遠心場での傾斜土槽実験を実施した.その結果,斜杭と擁壁の距離を短くした補強擁壁では補強材に大きな引張方向の軸力が,擁壁には圧縮力が働くことで高い補強効果が見られた.一方,斜杭と擁壁の距離を長くした補強擁壁では補強領域内で崩壊が発生する内部崩壊の発生が見られた.
著者
古城 隆雄 尾島 俊之 中俣 和幸 家保 英隆 田中 剛 牧野 伸子 鈴木 孝太 平山 朋 山本 光昭 鶴田 憲一
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.385-392, 2021-06-15 (Released:2021-06-25)

目的 公衆衛生の進歩発展および向上のためには,科学的な根拠に基づく政策の展開が求められ,学術と行政の連携が重要である。そこで,日本公衆衛生学会を活用しながら,学術と行政のさらなる連携の推進方策を検討することを目的に,日本公衆衛生学会学術行政連携検討委員会(委員長:鶴田憲一)の活動を行った。方法 学術行政連携検討委員会を2018年度~2019年度の2年間に3回開催し,さらにメールによる意見交換を行った。また,2019年10月24日に第78回日本公衆衛生学会総会において「根拠に基づく公衆衛生政策(EBPM)の具体的事例とノウハウ(学術行政連携検討委員会)」と題したシンポジウムを開催し,学術と行政の両者から,これまでの連携の具体的事例とノウハウについて発表し,参加者との質疑を通じて今後の課題についても議論した。活動報告 学術行政連携検討委員会の検討では,日本公衆衛生学会の運営における連携,行政業務データの精度に関する共通認識,行政におけるデータ活用の推進,人材確保と育成による連携の重要性があげられた。シンポジウムでは,委員長から学術行政連携検討委員会の設立経緯と趣旨を説明した後,データの活用に関する行政と学術のギャップについて,目的,研究の位置づけ,データ形式,人材,データ提供への課題の5点について整理した。続いて,行政の観点から,都道府県行政と公衆衛生学会の連携,地方行政職員の演題発表の変化,災害対応における学術への期待について,学術から,大学による行政の調査研究の支援,行政と連携したエビデンスづくりについての報告と質疑が行われた。結論 学術と行政の連携により,行政にとっては,根拠に基づく政策形成の深化とそのための人材育成が推進できる。また,日本公衆衛生学会総会開催は,公衆衛生従事者の資質の向上と経済効果につながる。学術にとっては,求められる研究内容の把握やデータ活用が推進できる。
著者
田中 剛平
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

レザバーコンピューティングは、高速学習を可能とする機械学習の枠組みの一つである。本研究では、レザバーコンピューティングの数理的解析とレザバーの最適設計を行い、従来の問題点を解決するとともに、新たなモデルを提案して学習の高速化や計算性能向上を実現した。また、物理的レザバーの可能性を広く探究して数理モデリングを行い、その基本特性や基礎的タスクにおける計算性能を明らかにした。
著者
増田 彰正 田中 剛 朝倉 純子 清水 洋 Akimasa MASUDA Tsuyoshi TANAKA Junko ASAKURA Hiroshi SHIMIZU
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.197-203, 1977-03

やまと隕石(j),(k)および(m)の中の希土類元素(REE),Ba,Rb,Srを安定同位体希釈法によって定量した.(j)については,任意に二つの部分をとって分析した(提供された試料は,やや粗い粉末試料だった).最も代表的な希土類元素相互存在度を示すと考えられるLeedeyコンドライトの値で規格化すると,(k)は最も小さい分化を示すが,Euによく見られる異常は別として,GdとDyとの間に不連続性が見られるのが特徴である.(m)と(k)は,成因的な関連が深いと判断された.(j)の二回の定量値の間には,興味深い,系統的な差がある.(m)と(k)との関連,および(j)の内部的分化は,共に,もとの母体小惑星内での溶融と結晶分化の効果を強く示唆すると解釈できる.
著者
鈴木 和博 SUZUKI Kazuhiro 束田 和弘 TSUKADA Kazuhiro 田中 剛 TANAKA Tsuyoshi
出版者
名古屋大学博物館
雑誌
名古屋大学博物館報告 (ISSN:13468286)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.9-13, 2009-12-25

中部地方の西南日本外帯の先白亜系に ついて,愛知県豊橋市から浜名湖西方に いたる地域では,秩父帯のジュラ紀付加 コンプレックスが広く分布し比較的よく 研究されている(水垣,1985; 池田, 1990;家田・杉山,1998;丹羽・大塚, 2001;Niwa and Tsukada,2004; 堀, 2004a,b,c,2008).一方,その西方延 長にあたる渥美半島では,先白亜系は第 四系によってほとんど覆われておりあま り研究が進んでいない.渥美半島の愛知 県田原市蔵王山(Fig. 1)には秩父帯のジュラ紀付加コンプレックスが小規模に露出するが,今回, 蔵王山西斜面に露出する付加コンプレックス中の石灰岩ブロックから,後期三畳紀のコノドント化石 を見いだした.この石灰岩体の時代は,渥美半島における秩父帯の構造区分の上で重要と思われるの で,ここに報告する.
著者
永田 基樹 藤原 直哉 西川 功 田中 剛平 鈴木 秀幸 合原 一幸
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.295-299, 2013-05-01 (Released:2013-09-06)
参考文献数
16

東日本大震災以降,電力の安定供給は重要な課題として注目を集めている.安定性の理解のためには数理モデルの解析が必要であるが,詳細なモデルは数理的な解析が容易ではないため,現象の本質を抽出した簡潔なモデルが必要である.本研究では,東日本の送電網の接続関係を用いて,周波数同期のダイナミクスを位相モデルによって記述した.本モデルにおいて,安定供給のためには同期した定常状態の実現が必要であるが,そのための結合強度の閾値を求めた.また,周波数同期に寄与している送電線を特定し,同期への寄与の大きさについて考察した.
著者
柴原 拓哉 大場 友裕 石原 達朗 田中 剛貴 大平 充宣 シバハラ タクヤ オオバ トモヒロ イシハラ タツロウ タナカ ゴウキ オオヒラ ヨシノブ Shibahara Takuya Oba Tomohiro Ishihara Tatsuro Tanaka Goki Ohira Yoshinobu
出版者
同志社大学スポーツ健康科学会
雑誌
同志社スポーツ健康科学 (ISSN:18834132)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.52-66, 2015-06

解説(Technical review)最大酸素消費量 (VO2 max) レベルは,有酸素性運動能力を示す良い指標で,その測定やそれを高めるためのトレーニングが実施されている.エリート選手におけるVO2 maxは,非鍛錬者よりも高いのは事実だが,エリート長距離走選手における値は,必ずしも彼らのベストレコードと正の相関はない.ランニングエコノミーやvelocity at VO2 maxも重要な持久性運動能力の指標である.VO2 maxは,心拍出量と筋における酸素消費量に影響されるので,各種トレーニングに対する心臓の形態的および機能的適応や骨格筋におけるミトコンドリアエネルギー代謝の適応パターン等を追求し,持久性運動パフォーマンスにおけるVO2 maxの貢献等に考察を加えてみた.It is well-known that the level of maximal oxygen consumption (VO2 max) is one of the good parameters, which indicate the aerobic athletic performance. Although it is true that the levels of VO2 max in elite athletes are clearly higher than those of non-athletes, some studies show that there is no correlation between the level of VO2 max and performance of distance running in elite runners. Running economy and velocity at VO2 max are other important parameters for endurance capacity. Since the level of VO2 max is influenced by the oxygen transport and utilization capacity, the morphological and functional adaptation of heart and skeletal muscles to various exercise trainings were reviewed in order to discuss the contribution of VO2 max to endurance exercise capacity.
著者
原田 隆典 田中 剛 田村 好文
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.507, pp.209-217, 1995-01-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
32
被引用文献数
1 3

確率過程理論に基づく強震動のシミュレーションモデルでは, 強震動の振動数特性や非定常性はパワースペクトル密度関数やその時間的変化を表わす関数によってモデル化される. 本研究では, 地震の物理に基づく理論的方法によってこれらの関数をモデル化する. 小地震による地震動モデルでは地震の物理に基づく理論的方法と経験的方法を併用してモデル化している. 大地震による強震動モデルでは地震断層を含む地盤における波動場の定式化に基づき, 地震断層の破壊伝播や観測点との幾何学的関係が考慮される. 計算例により, 強震記録が希薄な地域での強震動の予測に本研究のモデルを適用する方法を説明するとともに, 本研究のモデルの特徴を示す.