著者
長澤 和也 Vlastimil Baruš 小城 春雄
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.22-30, 1998-03-30 (Released:2008-11-10)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

ベーリング海で表層流し網によって捕獲された海鳥類3種(ハイブトウミガラス,ウミガラス,エトピリカ)の胃から線虫 Contracaecum variegatum の第3期幼虫と第4期幼虫を見出し,その形態を記載した。エトピリカは C. variegatum の新宿主である。調べた海鳥はほとんどすべて個体が C. variegatum の寄生を比較的多数受けていた。他の海鳥類から記載された Contracaecum yamaguti は C. variegatum の同種異名と考えられる。また,胃盲嚢部の形態が異常な Contracaecum sp. の成虫をウミガラスの胃から採集し,その形態を記載した。