著者
井尻 憲一 江口 星雄 黒谷 明美 山下 雅道 長岡 俊治 Ijiri Kenichi Eguchi Hoshio Kurotani Akemi Izumi Yamashita Masamichi Nagaoka Shunji
出版者
宇宙開発事業団
雑誌
宇宙開発事業団技術報告 = NASDA Technical Memorandum (ISSN:13457888)
巻号頁・発行日
pp.46-60, 1997-01-31

メダカ(ヒメダカ:成魚)およびイモリ(アカハライモリ:成体雌)の行動および姿勢をパラボリックフライト中の微小重力下で観察した。結果および考察は以下の通りである。メダカ:純系HO5および雑系の成魚は暗視条件下では両方とも輪を描く回転運動を示した。しかし、明視条件下ではHO5系は輪を描く回転運動を示したが、雑系は示さなかった。他の純系HB32Cはどちらの場合も回転運動を示さなかった。このように、微小重力に対する成魚メダカの行動上の反応には系による違いが存在した。イモリ:水中のイモリはゆっくりとした回転、うねりを示しながら泳いだ。空気中では、ほとんどのイモリが微小重力下においても水槽の底面にとどまっていた。何匹かのイモリは無重力時に浮かび上がってきた。それらは前肢を体側に沿わせたまま、空気中を体をうねらせて泳いだ。AAEU(水棲動物実験装置)カセット中のイモリは、AAEUカセットの厚さが成体イモリの身体の幅くらいしかないため、水中でも空気中でもカセットの表面に張り付いていた。イモリは、宇宙空間のAAEUカセットの中で産卵中でも姿勢を保ち続けることができると考えられる。MU-300型航空機からの機械的振動が実験ラックに伝わった。メダカ・イモリの行動に及ぼす影響を評価するため、振幅および周波数スペクトル解析するように振動を記録した。