著者
跡見 順子 清水 美穂 秋光 信佳 廣瀬 昇 跡見 友章 長谷川 克也 藤田 恵理 菊池 吉晃 渡邊 敏行 竹森 重 中村 仁彦 井尻 憲一 吉村 浩太郎 高野 渉 神永 拓 江頭 正人
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

1Gという重力への適応を通して地球上で進化してきた人間は、動くことで重力を活用して身体を賦活化し、健康な状態を維持することができる。新しい健康科学イノベーション"重力健康科学"研究では、生命科学、脳科学、理学療法学、機器開発者が連携し、これまで皆無だった"ホメオスタシス範囲の評価系構築"に向けた研究に取り組んだ。いかに自重支持を行いながら運動し転倒しないようにするか?細胞と身体をつなぐ緊張性収縮のダイナミック制御システムを研究することが鍵でありかつ可能であることを、この萌芽的研究が明らかにした。
著者
井尻 憲一 江口 星雄 黒谷 明美 山下 雅道 長岡 俊治 Ijiri Kenichi Eguchi Hoshio Kurotani Akemi Izumi Yamashita Masamichi Nagaoka Shunji
出版者
宇宙開発事業団
雑誌
宇宙開発事業団技術報告 = NASDA Technical Memorandum (ISSN:13457888)
巻号頁・発行日
pp.46-60, 1997-01-31

メダカ(ヒメダカ:成魚)およびイモリ(アカハライモリ:成体雌)の行動および姿勢をパラボリックフライト中の微小重力下で観察した。結果および考察は以下の通りである。メダカ:純系HO5および雑系の成魚は暗視条件下では両方とも輪を描く回転運動を示した。しかし、明視条件下ではHO5系は輪を描く回転運動を示したが、雑系は示さなかった。他の純系HB32Cはどちらの場合も回転運動を示さなかった。このように、微小重力に対する成魚メダカの行動上の反応には系による違いが存在した。イモリ:水中のイモリはゆっくりとした回転、うねりを示しながら泳いだ。空気中では、ほとんどのイモリが微小重力下においても水槽の底面にとどまっていた。何匹かのイモリは無重力時に浮かび上がってきた。それらは前肢を体側に沿わせたまま、空気中を体をうねらせて泳いだ。AAEU(水棲動物実験装置)カセット中のイモリは、AAEUカセットの厚さが成体イモリの身体の幅くらいしかないため、水中でも空気中でもカセットの表面に張り付いていた。イモリは、宇宙空間のAAEUカセットの中で産卵中でも姿勢を保ち続けることができると考えられる。MU-300型航空機からの機械的振動が実験ラックに伝わった。メダカ・イモリの行動に及ぼす影響を評価するため、振幅および周波数スペクトル解析するように振動を記録した。
著者
井尻 憲一
出版者
一般社団法人 日本放射線影響学会
雑誌
日本放射線影響学会大会講演要旨集 日本放射線影響学会第50回大会
巻号頁・発行日
pp.20, 2007 (Released:2007-10-20)

多くの遺伝子の発現が微小重力(無重力)で変化することは宇宙実験で示されている。転写の上昇が認められる遺伝子があると思えば、抑制される遺伝子もある。このような遺伝子発現の変化は、細胞骨格の状態変化と結びつけて説明される。これまでに報告されたデータの紹介とともに、宇宙放射線によるDNA損傷がどうなるかについても議論したい。
著者
井尻 憲一
出版者
日本宇宙生物科学会
雑誌
Biological Sciences in Space (ISSN:09149201)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.47-55, 2002 (Released:2006-01-31)
参考文献数
11

In this review paper, organismal and also cellular mechanisms for perception of gravity are explained. A statolith and a number of hair cells which surround the statolith is a basic structure of statocysts for detecting the direction of gravity or tilting of the body in various animals. The vestibular system of vertebrate was explained, especially on the process from the body-tilting to impulse frequencies which travel to brain. For the cellular responses to gravity, contribution of various organella(??) and cytoskeleton are introduced. Such cellular responses may change when the gravity values become less or null. Gravity perception mechanisms of plants are also explained.
著者
井尻 憲一
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.549-549, 2000-08-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
2
著者
下浦 享 小橋 浅哉 小池 真 中村 尚 川邉 正樹 永田 俊 三谷 啓志 井尻 憲一 山本 昌宏
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学理学系研究科・理学部ニュース
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.6-11, 2011-05

「原子核とその安定性」/「放射線と半減期」/「原子核分裂」/「セシウム137およびヨウ素131の環境化学」/「放射線に関する単位」/「大気中の物質拡散」/「海洋中の物質拡散」/「生態系における濃縮(生物濃縮)」/「放射線の生物影響」/「体外被曝と体内被曝」/「土壌中の汚染物質の拡散の数理と予測」
著者
嶋 昭紘 酒井 一夫 鈴木 捷三 小佐古 敏荘 井尻 憲一
出版者
東京大学
雑誌
核融合特別研究
巻号頁・発行日
1988

1.今年度は昨年度にひきつづきトリチウムシミュレーターのハードウェア部分の最終調整、実用に供せる形でのソフトウェア設備、実地利用、操作方法のマニュアル化等を行った。2.自家開発したメダカ特定座位法により、生殖細胞突然変位の線量率効果を調べた。1000Rを急照射(1000R/10min:100R/min)または緩照射(1000R/24hours:0.694R/min)した野生型雄メダカと、3標識を持ったテスター雌メダカ(b/b gu/gu 1f/1f)を交配し、胚発生過程における死亡と変異形質を検索した。その結果、(1)優性致死率は、精子では緩照射でより高いという逆の線量率効果が認められ、(2)特定座位突然変異頻度の急照射/緩照射の比は、生ずる突然変異に関してはどのステージにおいても1.0より大きく、線量率効果が認められるが、(3)総突然変異については、急照射/緩照射の比が2.13、2.10、0.88(各々精子、精細胞、精原細胞)となり、有意差は精子と精細胞においてのみ認められた(p<0.05)。3.トリチウムシミュレーターを用い、哺乳類培養細胞の細胞死および突然変異が対数的減衰線量率照射と一定線量照射により違いがあるかどうかを調べた。その結果、コロニー形成法でみた細胞死の割合、6TG耐性を指標にした突然変異頻度ともに、対数的減衰線量率で照射した場合の方が効果的であることがわかった。