著者
佐藤 由梨 Yuri Sato
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法学 = The Doshisha law review (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.247-278, 2017-05

本稿は、少年である被告人が、禁錮以上の刑に当たる罪の事件である無免許運転の罪と故意の通行禁止場所通行の罪について、家庭裁判所から検察官へ送致がなされたところ、検察官において、故意の通行禁止違反の事実を事実の同一性が認められる罰金以下の刑である過失による通行禁止違反の罪に認定を替えて公訴提起・略式命令請求がなされ、当該請求が認められて略式命令が確定されたことに対する非常上告申立事件である最高裁平成26年1月20日判決について、これまでの判例の動向と学説の状況を整理した上で、本判決の理解と評価について考察し、本判決がこれまでの判例の中にどのように位置づけられるものであるかを分析して、本判決の意義と射程を明らかにしようとするものである。判例研究(Case Study)