著者
Osamu FUKUTOMI Satomi SAKURAI Kunitoshi NADA Hideyuki MORITA Takahiro ARAI Keiko SUZUKI Yusuke AOKI Toshiyuki FUKAO Hiroko IWAKOSHI Yumiko CHIKAMATSU Tadao ORII
出版者
Medical and Pharmaceutical Society for WAKAN-YAKU
雑誌
Journal of Traditional Medicines (ISSN:18801447)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.151-152, 2006 (Released:2007-06-21)
参考文献数
6

小児の急性胃腸炎による嘔吐に対し,五苓散の注腸を行い有効性について検討した。症例は 6ヶ月から11歳までの336例で,平均年齢は3.7±2.3歳であった。方法は五苓散エキス顆粒2.5gを温生理食塩水20mlに溶解し注腸した。その後の症状の経過で有効性を評価した。症例全体の有効率は79%であった。この有効率は年齢による差は認めなかったが, 受診までの嘔吐回数とは有意な相関関係を認めた(p<0.01)。五苓散の注腸の有効率は他の報告でも高く評価されている。今回の結果でも有効率が高く副作用もないことから,小児の嘔吐を伴う急性胃腸炎の,点滴を行う前に行う治療としての有用性が示唆された。