著者
木村 友紀 辻野 亮 鳥居 春己
出版者
奈良教育大学教育学部自然環境教育センター
雑誌
奈良教育大学自然環境教育センター紀要 = Bulletin of Center for Natural Environment Education, Nara University of Education (ISSN:21887187)
巻号頁・発行日
no.18, pp.31-36, 2017-03

東京都伊豆大島において、動物園から逸出して野生化しているキョン(偶蹄目反芻亜目シカ科)の繊毛虫種構成を明らかにするために、個体数管理のために捕獲された8頭の第一胃内容物を調査したところ、1属6種(Entodiniumdubardi,Ent.simplex,Ent.exiguum,Ent.ovinum,Ent.nanellum,Ent.parvum)の繊毛虫が検出され、これらの繊毛虫が伊豆大島のキョンに広く分布していることが示唆された。しかし、台湾での先行研究で見られたIsotrichidaeと中型のOphryoscolecidaeに属する種は見られなかった。これらのことは、伊豆大島では、動物園から逸出したキョンが十数頭であったために、創始者効果によってキョンの繊毛虫種構成が限定されたことを示していた。

言及状況

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【ルーメン繊毛虫の多様性低下】 伊豆大島のキョンのルーメン(第一胃)を調べた結果、1属6種の繊毛虫を検出。一方、台湾の先行研究で見出された2科の繊毛虫は見つからなかったことから、移入に伴う「創始者効果」により繊毛虫の多様性が低くなった可能性。 フリーアクセス。 https://t.co/PxKK82nG99

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