- 著者
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熊谷 隆之
- 出版者
- 日本史研究会
- 雑誌
- 日本史研究 (ISSN:03868850)
- 巻号頁・発行日
- vol.611, pp.1-17, 2013-07
得宗専制という、鎌倉期政治史の重要問題を論じるにさきだち、ひとりの、著名とはいえぬ人物を取りあげたい。北条経時・時頼の同母弟たる、北条(阿蘇)時定。のちに「為時」と改名する。北条経時・時頼の同母弟たる時定は、文永の役のころ、なぜ鎮西にいると、都人に認識されていたのか。あるいは、本当に、鎮西にいたのか。本稿は、阿蘇時定あらため「為時」と、のちほど登場する北条(苅田)時継こと、もうひとりの「為時」について検討し、そこから浮上する新事実をもとに、得宗専制に関するいくつかの論点の提示を試みるものである。